国際交流活動

日弁連は国際室を設置し、日弁連が団体加盟している国際法曹団体や友好協定を締結している外国弁護士会や交流のある外国弁護士会、日弁連が協議資格を有し活動に参加している国連、その他、世界中の様々な法律関係の団体や学術機関等から、日々多くの情報を受信しています。 また、日弁連は国際交流委員会を設置し、外国の司法制度・法曹の動向などに関する調査・研究、情報交換・交流(国際交流)や開発途上国への立法・法曹養成援助、人権・人道活動の参加、国際機関への人材派遣(法整備支援)を行っています。

 

 

国際交流に関する活動 

   

活動の概要

国際交流委員会には、各国法曹団体及び国際機関等と交流(国際交流)を行う交流部会と、開発途上国への立法・法曹養成援助(法整備支援)を行う国際司法支援センターがあります。


このうち交流部会では、以下のとおり、日弁連と各国の法曹関係者との交流の活発化に伴い、わが国の司法制度・弁護士制度の紹介、諸外国の司法制度・法曹の動向などに関する調査・研究を行うとともに、必要な情報交換・交流を行っています。

   

   

世界の弁護士会との交流

米国法曹協会国際法セクションとの交流

arrow 米国法曹協会(American Bar Association、ABA)は、1878年8月21日に設立された、弁護士等を会員とする全米規模の任意加入団体です。ABAは、現在、40万名以上の会員、3500以上の参加団体を擁しており、本部はシカゴにあります。なお、日弁連は2006年にABAと友好協定を締結しています。ABAは法律・ビジネスの分野ごとに21のセクションを有していますが、そのうち、とりわけ日弁連とかかわりの深いセクションがSection of International Law(国際法セクション、ABA-SIL)です。ABA-SILだけでも会員は2万名以上、出身国は100か国以上に及んでいます。ABA-SILの年次大会等において、日弁連とABA-SILとは2012年以来、両会で共同セッションを催しており、日弁連からはモデレーター、パネリストを派遣しています。
2015年には、ABA-SILの東京支部として、Tokyo City Chapterが設立され、東京において、ABAの会員その他の外国弁護士との交流を進めています。


中華全国律師協会との交流

arrow 中華全国律師協会(All China Lawyers Association)は、1986年に設立された全国規模の弁護士会かつ強制加入団体です。司法省および同協会が弁護士に対する懲戒権を持ちます。

日弁連は、同協会と2006年に友好協定を締結しました。その後、定期的に交流を行っています。これまでの交流実績は、以下の通りです。


回数 日程 開催地 テーマ
第1回 セミナー:2007年6月12日
(2007年6月11日~19日)
東京 「日中弁護士会の歴史と展望」
~基本的人権擁護の担い手としての弁護士会と相互協力の可能性~
第2回 セミナー:2009年9月20日
(2009年9月19日~23日)
中国
(杭州)
「国際金融危機への対応における弁護士の役割」~日中破産法比較法律検討会~
第3回 セミナー:2012年9月10日
(2012年9月9日~15日)
大阪 家族法に関する日中比較
第4回 セミナー:2015年11月6日
(2015年11月4日~9日)
天津 知的財産権法(知的財産関連訴訟の審理の日中比較、間接侵害(日本)・共同侵害(中国)の日中比較)
pdf 「自由と正義」2016年3月号 海外レポート (PDFファイル;1MB)
第5回 調査:2019年11月3~6日 (訪問先)
-深圳市律師協会
-珠海市律師協会
-澳門律師公会


香港律師會との交流

arrow 香港律師會(The Law Society of Hong Kong)は、1855年に設立された事務弁護士(Solicitor)の弁護士会で、強制加入の団体です。 日弁連は、2013年1月に香港律師會と締結した「若手弁護士を対象とした交換インターンシップ・プログラムの試験実施に関する覚書」に基づき、登録3年以上10年未満の若手弁護士を対象としたインターンシップ・プログラムを実施しています。 

これまで、第1回(2014年)から第5回(2018年)にわたって実施されており、参加者は日本および香港共に各数名です。 香港インターンの日本国内での研修は、個別研修地である東京、横浜、神戸、福岡、大阪、神戸等にて行われ、合同研修として、弁護士および日弁連の活動、民事訴訟、刑事訴訟に関する講演、日弁連表敬訪問、最高裁判所見学等が実施されています。日本インターンの香港での研修は、香港律師会での合同研修および配属事務所での個別研修が実施されています。 同プログラムは、双方の若手弁護士にとって異なる法制度の下で法律実務および裁判実務を経験できる有意義なプログラムとなっています。


ロシア連邦弁護士連合会との交流

日弁連は、2014年10月23日、国際法曹協会(IBA)東京大会が開催された際、 arrowロシア連邦弁護士連合会(The Russian Federal Bar Association)と友好協定を締結しました。

ロシア連邦弁護士連合会は、2002年5月31日に制定された「ロシア連邦の弁護士活動と弁護士会に関する連邦法」に基づき、ロシア連邦の唯一の弁護士会として誕生した強制加入団体です。現在の会員数は約7万5000名となっています(うち41.2%が女性会員)。

日弁連は、毎年5月に開催されるサンクトペテルブルク国際リーガルフォーラムに参加したり、ロシア連邦弁護士連合会と日露共同セミナー(2016年、東京)を開催するなど、積極的な交流を行っています。


国際セミナーの開催

日弁連は、弁護士会および弁護士会連合会と協同し、各地において時宜にかなった国際セミナーを継続して開催しています。直近(2012年以降)の開催実績は以下のとおりです。

  • 2014年3月 福岡で「東アジア事業展開セミナー」を開催しました。セミナー内容は、九州と東アジアとの事業展開の現状と課題についての講演、会社設立・入管手続・不動産取得や本国への利益移転などについてのパネルディスカッションでした。
  • 2017年3月 広島で「東アジアにおける離婚法制」セミナーを開催しました。セミナー内容は、離婚事件の国際裁判管轄についての講演、親権・監護権・養育費・面会交流などについてのパネルディスカッションでした。

※2013年以前の実績についてはこちらをご覧ください。
pdf国際交流セミナー過去の開催実績 (PDFファイル;118KB)


日弁連が加盟する国際法曹団体一覧

友好協定の締結

法整備支援に関する活動

国際交流委員会のうち、国際司法支援センターが行っている取組については arrowこちらをご覧ください。


その他の活動(アーカイブ)

2009年以降に国際交流委員会が発行した「委員会ニュース」の一覧から、これまでの活動をご覧いただけます。

詳しくはarrow こちらをご覧ください。


ご参考『自由と正義』特集

国際交流に関する「自由と正義」の特集・その他の記事は、arrow こちらからご覧いただけます。