子どもの権利(子どもの権利委員会)

活動の概要

日弁連では、子どもの権利保障を確立するために、子どもの権利委員会を設置しています。

子どもの権利委員会は、少年法改正問題、少年事件における付添人活動の拡充・強化、少年裁判員裁判における調査・研究・提言、少年事件に対する付添人活動の拡充・強化、いじめ・体罰・校則・懲戒処分など学校生活における子どもの人権問題、家庭での児童虐待や体罰・福祉施設における子どもの人権問題に関する調査・研究・提言、家事事件における子どもの手続代理人の活動の拡充、子どもの権利条約の国内実施に関する問題、少年院・少年鑑別所における少年の権利に関する調査・研究・提言など、さまざまな課題に取り組んでいます。


具体的な活動内容については、下記項目を参照ください。

 

弁護士会の子どもの権利に関する相談窓口一覧

学校に関するさまざまな問題(いじめ、体罰、学校事故など)に悩んだとき、また、児童虐待などの親子関係や非行の問題に悩んだときなど、各地の弁護士会では、子どもの権利に関するさまざまな相談を受け付けています。


当事者である子ども本人からの相談はもちろん、ご家族からの相談でもかまいません。お近くの相談窓口に、ぜひお気軽にご相談ください。

 

icon_pdf.gif弁護士会の子どもの人権に関する相談窓口一覧(2018年3月現在) (PDFファイル;103KB)


弁護士会の子どもの人権相談窓口については、こちらをご覧ください。


少年法の適用年齢引き下げ問題について

少年法の適用年齢引き下げ問題については、こちらをご覧ください。



子どもの権利条約について

「子どもの権利条約」とは、「子どもの最善の利益」を考慮して、子どもの「人格の完全なかつ調和のとれた発達」のために不可欠である子どもの権利が、あらゆる場で実現されることを求めた条約です。1989年11月20日に第44回国連総会で採択され、日本では1994年5月22日に発効しました。現在、条約締結国・地域の数は、世界で196(2017年2月現在。外務省ホームページによる)となっています。


報告書審査について

子どもの権利条約を批准した国は、この条約が効力を生じた時から2年以内に、その後は5年ごとに、この条約で認められた権利の実現のためにとった措置及びこれらの権利の享受についてもたらされた進歩に関する報告を、国連子どもの権利委員会(CRC)に報告することが求められており、CRCは提出された政府報告書の審査を行います。


これまで、1996年、2001年、2010年と3回の政府報告書審査が行われました。

日弁連は、これまでの政府報告書審査に際し、CRCに対して、わが国の子どもの権利の実績を報告する日弁連レポート(オルタナティブレポートともいいます。)を提出し、予備審査と本審査に委員を派遣してきました。CRCは、政府報告書審査を踏まえて、最終見解を発表します。


これまでに日本政府がCRCに提出した報告書および日弁連が提出した報告書ならびにCRCの最終見解等については、下記をご参照ください。


→日弁連が提出した報告書、及び政府報告等



体罰禁止に関する取り組み

子どもに対する体罰及びその他の残虐な又は品位を傷つける形態の罰の根絶を求める意見書

icon_pdf.gifパンフレット「子どもがすこやかに育つ、虐待のない社会を実現するために」(改訂版) (PDFファイル;1.9MB)


子どもに対する体罰等の禁止は国際的な課題で、既に法的全面禁止を実現した国は53か国にのぼります。


日弁連は2015年3月にこの問題についての意見書を取りまとめ、同年9月に公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)との共催でシンポジウムを開催して以来、2017年7月に仙台で、同年10月に東京でSCJ主催のシンポジウムを共催し、2018年8月には日弁連主催、SCJ共催でシンポジウムを開催するなど、SCJと連携して活動しています。


脳科学の最新の知見でも、体罰や暴言等は子どもの脳の発達に悪影響を及ぼすことが確認されており、先行している諸国の事例から、法的全面禁止を啓発と組み合わせることで市民の体罰等についての価値観を変える力となることが分かっています。


体罰等の全面禁止は体罰を行う者への制裁ではなく、養育者への支援・サポートにより「体罰によらない子育て」を普及させることで、体罰等の解消を目指す取り組みです。


市民団体や専門職団体等の活発な活動もあって、2016年の児童福祉法及び児童虐待防止法改正に際して、「体罰によらない子育てを啓発すること」「今日の家族を取り巻く状況の把握に努めるとともに、国際社会における議論の動向等を踏まえ親権を行う者の懲戒権の行使の在り方について検討すること」を掲げた付帯決議もなされています。


日弁連は引き続き、パンフレットの普及や各地でのシンポジウムの実施など、体罰禁止に向けての取り組みを進めていきます。

 


無戸籍の問題に関する取り組み


                                    →icon_pdf.gif リーフレット「無戸籍でお困りの方へ」 (PDFファイル;253KB)
 

近年、さまざまな事情で戸籍が作成されないまま生まれ育ってきた方(無戸籍者)について、学校に行けなかった、自動車運転免許が取れなかった、正規雇用による就労ができなかったなどの窮状が広く知られるようになりました。政府は、法務省を中心に、無戸籍者解消の問題に取り組んでいます。また、日弁連も、無戸籍者の救済のための法的な支援に取り組んでいるところです。


日弁連は、この取り組みの一環として、2015年11月、全国の弁護士会の協力を得て「全国一斉無戸籍ホットライン」と題した無料電話相談を実施しました。その後も、各地の弁護士会で無戸籍の問題について継続的な対応が行われ、無戸籍に関する相談窓口が設置されました。


無戸籍の方が戸籍を取得するには、多くの場合裁判所への申立が必要です。また無戸籍が生じた原因や家庭環境などの状況によって対応方法が異なり、法律家の支援がなければ解決が困難です。無戸籍に関してお困りの方は、どうぞこの相談窓口をご利用ください。


 →icon_pdf.gif 弁護士会の無戸籍に関する相談窓口一覧 (PDFファイル;351KB)


また日弁連は、2016年11月、全国の弁護士を対象に、無戸籍解消に向けた各地の活動状況等についてアンケート調査を実施しました。無戸籍の全体像を把握することは難しく、寄せられた事例は全体のごく一部ですが、このアンケートでは、弁護士への相談をきっかけに、多くの方が戸籍を取得していることがわかりました。他方で無戸籍者の救済には裁判手続を利用しやすくするための運用改善や経済的支援、また立法措置を含め、さまざまな角度からの支援が必要であることがわかりました。


 →icon_pdf.gif アンケート調査の概要 (PDFファイル;338KB)


一部の地域では既に関係機関の連携が始まっています。このたび法務省からの働きかけを受けて、全国各地の法務局・地方法務局、弁護士会、日本司法支援センター(法テラス)、家庭裁判所等関係機関により、無戸籍状態を解消する手続等について協議する地方協議会が設置される予定です。


日弁連は、各地の弁護士会とともに無戸籍の方々の救済方策を検討し、解消のための努力を継続していきます。


 →icon_pdf.gif リーフレット「無戸籍でお困りの方へ」 (PDFファイル;253KB)


 

「子どもの手続代理人」をご活用ください


                                    →icon_pdf.gif リーフレット「子どもの手続代理人って?」(第2版) (PDFファイル;802KB)


子どもの親権を争う離婚調停や面会交流など、家庭裁判所の調停や審判の結果により子どもが直接の影響を受ける家事事件においては、家庭裁判所調査官が子どもの意思や気持ちをくみ取る役割を果たしてきました。しかしながら、子どもをめぐる両親の対立が激化する中で、子どもの意思や気持ちを調停や審判に反映させるには、それだけでは十分でないケースも出てきました。


このような事情を踏まえ、2013年1月に施行された家事事件手続法においては、家庭裁判所調査官による調査に加え、子ども自身が調停手続や審判手続に参加し、自分の意思や気持ちを表明できる機会が与えられることになりました。その手助けをするのが「子どもの手続代理人」です。


子どもが参加できる手続の種類や年齢、子どもの手続代理人の活動内容、弁護士費用の負担などのご相談については、子ども本人はもちろん、親族の方でもかまいませんので、お近くの弁護士会窓口にお気軽にご相談ください。



 

居場所を失った子どもたちのための活動(子どもシェルター)

 

子どもシェルターとは、虐待等で居場所を失った子どもたちの緊急避難先として、一時的に安心して生活できる場所のことです。2004年、東京のカリヨン子どもセンターの開設以来、日本全国に開設の動きが広まり、全国に15か所(※)の子どもシェルターが開設されています。(※2017年9月時点)

 

日弁連子どもの権利委員会では、各地の子どもシェルター開設の動きを支援したり、情報交換を行ったりしながら、全国で子どもシェルターが開設されることを目指しています。


弁護士による未成年後見

 

未成年後見人とは、死別等の理由で親権者がいなくなった未成年者に対して、代わりに親権を行使する人のことをいいます。未成年後見人は、多くの場合、家庭裁判所により選任されます。

 

未成年後見人は親族が務めることが多いのですが、最近、弁護士が未成年後見人を務めることも増えてきました。複雑・多額の財産の管理や、未成年者の生活の見守り、自立の手助けといった業務を行っています。

 

2012年には、それまでと異なり、複数の未成年後見人が就任することもできるようになりました。その結果、親族と弁護士が協力して後見業務にあたるなど、新たな形も増えてきました。

 

日弁連子どもの権利委員会では、未成年後見についての調査研究や関係省庁との協議等を通じて、未成年後見業務の発展・進化に取り組んでいます。


児童福祉法の改正と司法関与~児童相談所の法的対応力の向上と弁護士配置

 

児童福祉法は、子どもの健やかな育成と発達を図ることなどを目的とした子どもの福祉に関する総合的な法律です。この法律では、国や地方公共団体等の責務や、子どもを保護するために禁止されている行為、児童相談所や児童福祉施設などの諸制度が定められています。

 

同法は、1947年(昭和22年)に制定されて以降、これまでに何度も改正されていますが、最近では、児童虐待件数の増加を背景として、特に児童相談所の体制や虐待対応について重要な改正が行われています。

 

例えば、2016年(平成28年)の改正では、児童相談所の法的対応力の向上を図るために、全国の児童相談所に弁護士を配置することが義務づけられ、これにより、児童相談所の業務に弁護士が関与する機会が飛躍的に増加しています。

 

児童相談所で勤務する弁護士の活動については、 こちらのパンフレットをご覧ください。


 

また、2017年(平成29年)の改正では、児童相談所が子どもを保護する期間を延長する場合に裁判所の審査を受けることとされ、裁判所が都道府県に保護者指導の勧告を行うことのできる範囲が拡大されるなど、児童相談所の虐待対応に裁判所が関与する場面も広がってきています。

 

日弁連子どもの権利委員会では、児童相談所の虐待対応への弁護士や裁判所の関与のあり方について調査研究や関係省庁への働きかけを行うなどして、児童福祉行政のさらなる発展向上を目指しています。


書籍 ・パンフレット等

  • 「子どもの虐待防止・法的実務マニュアル【第6版】」(明石書店)
  • 「子どもの権利ガイドブック【第2版】」(明石書店)
  • 「子どものいじめ問題ハンドブック 発見・対応から予防まで」(明石書店)
  • 「子どもの権利通信 合本CDROM版」(現代人文社)

 (それぞれの書店へお問い合わせください)



研修・資料等

日弁連会員の方は、会員ページ内の「日弁連研修総合サイト」で、eラーニング(テキストを含む)をご覧いただけます。

※会員ページへログインするには登録が必要です。会員ページへの登録・ログインはicon_page.png こちら



意見書・会長声明等

子どもの権利委員会の活動テーマに関連する意見書・会長声明・人権擁護大会決議等については、こちらからご覧いただけます。


icon_page.pngこちら


子どもの権利委員会ニュース

子どもの権利委員会は、年数回ニュースを発行しています。直近の活動については、以下の「子どもの権利ニュース」のバックナンバーをご参照ください。



2018年

No. 3 (PDFファイル;717KB)[8月1日]

  • 「少年法の適用年齢の引下げに反対する院内学習会」を開催
  • 特別養子制度の見直しに向けた議論状況 ほか



No. 2 (PDFファイル;1.0MB)[4月1日]

  • 「スクールロイヤー」の整備を求める意見書を公表
  • 2018年4月2日施行 改正児童福祉法への対応について
  • 子どもの手続代理人マニュアル第4版を発行 ほか



2017年

No. 1 (PDFファイル;1.9MB) [12月1日]

  • 「子どもの権利ニュース」創刊にあたって
  • 法制審議会少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会 少年法の適用年齢引下げをめぐる議論状況
  • 子どもに対する体罰等の禁止に向けて 東京シンポジウムを共催
  • 総合法律支援法改正対応(児童虐待法律相談)eラーニングの活用を
  • 子どもの権利条約第4回・第5回政府報告に関する日弁連報告書を提出
  • 虐待防止マニュアルを5年ぶりに大幅改訂