弁護人の取調べへの立会い

被疑者・被告人は、捜査機関による取調べにおいては、常に圧倒的弱者であり、弁護人の援助を受け、黙秘権行使あるいは供述の自由を守ることが必要不可欠です。


それゆえ、現在では、多くの国、地域において、弁護人の取調べへの立会いが、被疑者・被告人の権利として認められています。欧米諸国だけでなく、韓国、台湾においても弁護人を取調べに立ち会わせる権利が認められています。


しかし、日本においては、刑事訴訟法でこれを禁じる規定がないにもかかわらず、被疑者に対して、弁護人による取調べの立会いを捜査機関が認めることはほとんどありません。


このような現状の改革を求めて、日弁連は、2018年4月13日付けで「弁護人を取調べに立ち会わせる権利の明定を求める意見書」を取りまとめ法務大臣に提出しました。


さらに、2019年10月4日に開催された第62回人権擁護大会において、「弁護人の援助を受ける権利の確立を求める宣言-取調べへの立会いが刑事司法を変える」を採択しています。


そして、2020年に「取調べへの立会いに関する検討ワーキンググループ」が発足し、2021年には「取調べ立会い実現委員会」が設立されました。


現在は、日弁連の同委員会において、各種研修を提供したり、各地の情報を集約・発信したりするなど、法制度実現に向けた活動を行っています。


また、各地の弁護士が、上記の意見書、宣言の早期実現に向けて、被疑者の供述の自由を守るべく、日々立会いを求めて奮闘しています。



意見書、人権大会宣言、総会決議等

arrow_blue_1.gif弁護人を取調べに立ち会わせる権利の明定を求める意見書(2018年4月13日)

arrow_blue_1.gif弁護人の援助を受ける権利の確立を求める宣言-取調べへの立会いが刑事司法を変える(2019年10月4日)

arrow_blue_1.gif取調べの在り方を抜本的に見直し、全ての事件における全過程の録音・録画を実現するとともに、弁護人を立ち会わせる権利を確立することを求める決議(2024年6月14日)



チラシ

icon_pdf.gif取調べへの弁護人立会い-法制化を目指して-【2024年4月発行】 (PDFファイル;575KB)

※自由にご利用ください。



シンポジウム等の記録

2019年 第62回人権擁護大会・シンポジウム(10月3日・徳島市)

icon_pdf.gif第1分科会「取調べ立会いが刑事司法を変える~弁護人の援助を受ける権利の確立を~」 (PDFファイル;6MB)


2021年 第15回国選弁護シンポジウム(9月10日・広島市)

icon_pdf.gif「取調べ前に国選弁護人による接見を!~逮捕段階の公的弁護制度、接見交通権最前線、そして取調べ立会いへの展望~」 (PDFファイル;4MB)



海外調査

icon_pdf.gif2019年 立会いをめぐる世界の潮流~EU 諸国・韓国の最新刑事司法の制度と運用~(第62回人権擁護大会シンポジウム第1分科会海外調査報告) (PDFファイル;3.7MB)