地域に根ざした法曹の人的・物的施設の拡充を目指して(裁判官制度改革・地域司法計画推進本部)
活動の概要
全国には、地方裁判所、家庭裁判所の本庁50か所と支部203か所が置かれています。また、検察庁もまた同じ数がそれぞれ設置されています。
支部では、裁判官・検察官が常駐しないという問題や、もともと取り扱えない事件があることや、施設の整備が不十分のために、利用する地域住民が困る事態が生じています。
このような状況があるにもかかわらず、支部での事件数が少ないことを理由に、支部の統廃合が行われました。
支部所在地に暮らす市民の裁判を受ける権利を実質的に保護する見地から、日弁連は裁判官制度改革・地域司法計画推進本部を設置し、このような問題の解消を目指して活動しています。
2 最近の活動
(1) 全国支部問題シンポジウムの開催
全国支部問題シンポジウムは、支部の機能低下を食い止め、支部において「市民に身近で利用しやく、頼りになる司法」が実現するよう、各地の情勢と改善策について検討することを目的に開催されています。
直近では、2011年3月1日に第4回シンポジウムが開催され、各弁護士会連合会において実施された支部協議会の結果や、弁護士会・弁護士会支部会員に対するアンケートの結果を踏まえて、意見交換が行われました。また、支部問題に特に造詣が深い会員をパネリストに迎えて、今後の運動における課題についても検討されました。
(2) 第2期地域司法計画の推進
地域司法計画とは、より身近で頼りがいのある司法を実現するためには、まずは地域の司法を充実する必要があるという考えから、各地域に根ざした司法基盤整備を進めるための計画です。
2007年10月18日に開催された第1回第2期地域司法計画運動全国担当者会議において、第2期地域司法計画運動の目的とモデル案について報告・討議がなされ、2009年10月27日に開催された第2回会議で計画の作成目的や計画実現の方策について更なる検討がなされました。
現在、20の弁護士会と2の弁護士会連合会において計画が作成されており、この計画に基づいて運動を行っています。