ILAC(International Legal Assistance Consortium/国際司法支援協会)

 

ILACは、国連の支援を受けて2002年に設立され、事務局をスウェーデンのルンドに置く、紛争後国における司法制度の再構築のために支援活動を行う国際団体です。ILACは政治的不偏性と透明性の維持・政治的影響力からの独立性の確保、現地の法制度と伝統文化の尊重の原則、ジェンダーの視点・非差別並びに多様性の確保を指針として活動しています。


ILACの会員は、国・地域・国際法律家団体・人権団体等の団体会員および個人会員であり、現在、日弁連のほか、IBA(国際法曹協会)、CCBE(欧州法曹評議会)、ABA(米国法曹協会)、英国法曹協会、香港法曹協会等の法曹団体が団体加入しています。日弁連は2008年にILACに正式加入し(それまではオブザーバーとして参加)、現在同団体の理事として年1回開催される総会、理事会に代表者を派遣しています。


ILACの目的は、紛争後の国々における法制度の有効性と信頼性を高めるための国内外での努力を支援することにあります。そのために、客観的な評価と提言を行い、組織、専門家、資料や分析に関する情報を提供し、紛争が残した悲惨な状況への対応に必要かつ健全な法制度の開発と実施、法律や司法に関する教育、調査およびその公表などを行うことにより、紛争後国における法の発展と実施を促進しています。活動にあたっては、政府、(国連保護下にある場合)国連平和維持部隊、他の国際団体と協力することとされています。ILACの活動の資金源は、政府および国際機関からの支援・助成金であり、これまで、スウェーデン政府、イギリス政府、アイルランド政府、世界銀行等からの資金により、東ティモール、スリランカ、リベリア、アフガニスタン、イラク、ハイチに代表団を派遣(そのほとんどが国連の要請による)したほか、南スーダン、ルワンダ、ケニア等も活動対象としています。



日弁連は、2009年にILACおよびIBAと共に、イラクの弁護士の研修プロジェクトをチェコ・プラハで実施しました。
東京で開催された2017年の年次総会では、3日間の日程のアレンジやアテンドのほか、レセプションを主催し、国際交流委員会が中心的な役割を果たしました。
最終日には、ILAC、独立行政法人国際協力機構(JICA)、日弁連の3者共催で、’The  Necessary Challenge: Building Resilient and Responsive Justice Institutions in Fragile and Repressive Countries’「紛争の影響下にある脆弱国における司法制度構築の挑戦」と題したオープンセミナーを開催し、SDGsや開発支援の重要なコンセプトから展望される紛争影響国における司法制度構築に関するプレゼンテーション、経験・実践から考える司法制度の再建支援に関するパネルディスカッションが行われました。


ILAC Webサイトはblank こちら(英文)


年次総会スケジュール

・2024年6月4日 オンライン開催
・2023年5月9日 オンライン開催