ワーキングプアに関する活動(ワーキングプア部会)

1 安心して働ける状況を作る取組

この20年以上、日本は、労働関係について、さまざまな規制緩和をしてきました。そのことが、過労死につながるような長時間労働のまん延、将来に展望が持てない有期雇用契約の労働者の増大、直接雇用ではない派遣労働者の増大等につながり、働いても日々の生活に不安を抱えるワーキングプアと呼ばれる層が拡大してきました。

 

また、この間の「改正」により、雇用保険についても、失業しても実際に受給できる人が少数に留まっており、セーフティーネットとしての機能を十分に果たしていません。

 

日弁連は、労働者が安心して働く状況を作ることができるように、労働関係の規制緩和立法に反対するとともに、あるべき規制について提言をしたり、市民集会を開催したりしています。



2 最低賃金に関する取組

日本の最低賃金が先進国の中で非常に低い状況にあります。また、近年、この30年間で日本の労働者の賃金がほとんど増えておらず、先進国の中では低位の状況にあります。また、最低賃金の地域差が大きい一方で、生計費から見た場合、地域差がそれほどないことも確認されています。

 

日弁連では、最低賃金の大幅引上げと全国一律の最低賃金制度を作ることに取り組んでいます。最低賃金を引き上げた場合、そこよりも上の層の賃上げにつながることが見込まれ、社会全体の賃金の引上げにもつながります。



3 公契約法・公契約条例推進の取組

公契約に基づいて労務に従事する人たちの適正な労働条件を確保することは、公共サービスの質の確保と生活できる賃金への底上げの実現、また、公正な競争による地域経済の活性化にもつながります。