『国際戦略(ミッション・ステートメント)』の策定

日本弁護士連合会の国際的取組を一層強化するため、総合的かつ長期的な『国際戦略(ミッション・ステートメント)』(日本語版・英語版)を策定いたしました。

 

pdfファイル『国際戦略(ミッション・ステートメント)』(日本語版・英語版) (PDFファイル;223KB)

 

国際戦略(ミッション・ステートメント)

2016年(平成28年)2月18日

日本弁護士連合会

 

 

日本弁護士連合会は、日本における弁護士の強制加入団体として弁護士全体を代表する立場にあり、高度の自治とあらゆる権力からの独立性を有している。日本弁護士連合会は、日本における弁護士が、基本的人権を擁護し、社会正義を実現するという使命を有していることを踏まえ、法の支配の実現を目指し、また平和を希求してきた。日本弁護士連合会は、人々の活動、そしてそれを支える経済がますますグローバル化し、それに伴い、法や法制度もますます国際化する中で、今後も、この使命を自覚し、これまでの歩みを基礎に、国際的な信頼を築き上げるための積極的な活動を行う。

また、日本弁護士連合会は、グローバル化・国際化の中で、個々の会員が、上記使命に基づき、効果的に、公益活動を行うとともに活動領域を拡充できるよう、制度的な支援を行っていく。

具体的には、以下のものが含まれる。

国境を越えた弁護士活動の職業倫理についての提言・研修、弁護士の独立・法の支配・基本的人権の普遍的実現を目指した諸活動、外国(地域)弁護士会、国際法曹団体、国連等の国際機関との交流・連携、法的サービスの受益者である内外の法人・個人からの国際化の中で生ずる需要への対応、国際的な分野での法的サービス提供の拡充のための基盤強化の支援等。

 

基本目標

  1. 公益、人権、法の支配の実現等に関わる活動
    • (1) 国際人権基準及び国際人権機構の強化発展に貢献し、国際人権基準に基づいて国内外における人権課題に関する活動や人権侵害に対する救済活動に取り組む。
    • (2) 外国における法制度整備、弁護士養成、弁護士会の設立等の支援を推進する活動を強化する。
    • (3) 弁護士倫理の確立、弁護士の社会的貢献を推進する活動を強化する。
    • (4) 国際人権法の専門知識と経験を備えた弁護士層及び(2)及び(3)記載の活動に 参加する能力を有する弁護士層を養成し、拡大する。
  2. 弁護士及び弁護士会の役割に関わる活動
    • (1) 国際社会における弁護士業務のあり方、弁護士会のあり方につき、業務規制、 弁護士倫理の確立等の観点において、国際的知見に学び、これを会員に還元す る。
    • (2) 国際化に対応するための組織体制を確立し、国際的に情報発信を行い、国際法曹団体や国際機関と連携し、もってルール・メーキングに積極的に関わる。
    • (3) 上記の活動を行うに際して、人種、ジェンダー及び法文化等に関する多様性に対する認識を高め尊重し受容するとともに、国際的な意思決定過程においてかかる多様性及び地理的バランスが確保されるよう追求する。
  3. 社会における様々な法的ニーズに応える法的サービスを提供できる体制の強化のための活動
    • (1) 法人(日本法人及び外国法人)・個人(外国人及び民族的少数者を含む)を問わず、国際化の中で求められる法的サービスに関する日本における弁護士及び司法制度へのアクセスを向上させる。
    • (2) 国際化の中で生ずる法的サービスに係る専門知識と経験を備えた弁護士層を養成し、拡大し、活動領域拡充の基盤強化のための支援を行う。