ひまわり基金法律事務所とは

himawarikikin.jpegひまわり基金法律事務所は、弁護士過疎の問題を解消するために、日弁連・弁護士会・弁護士会連合会の三者の支援を受けて開設される法律事務所です。日本には、約4万人の弁護士がいますが、その多くが県庁所在地などの都市部に集中しており、弁護士が少ない地域(弁護士過疎地域)では、弁護士に相談・依頼をしたくても、近くにいないために難しいという問題があります。


日弁連では、その改善を図るため、いつでも、どこでも、だれでも、弁護士に相談・依頼ができるように、弁護士の会費を主な財源とする「日弁連ひまわり基金」を1999年9月に設置し、2000年からひまわり基金法律事務所を設立しています。ひまわり基金法律事務所は、北は北海道から南は長崎県まで、全国各地に累計で123か所設置され、31か所が稼働中です。



これにより、弁護士過疎地域は大幅に減少し、1999年当時、73か所あった弁護士ゼロワン地域は、弁護士ワン地域2か所になりました※。ひまわり基金法律事務所の所長弁護士(ひまわり基金弁護士)には、自ら赴任を希望し、選定された弁護士が就任し、日々精力的に活動しています。(人数等のデータは、2023年10月1日現在のものです。)


※ 弁護士ゼロワン地域:地方裁判所の支部の管轄を1つの地域としてみて、弁護士の登録がない地域を「弁護士ゼロ地域」、弁護士 登録が1人の地域を「弁護士ワン地域」、これらを併せて「弁護士ゼロワン地域」といいます。


はじめまして、ひまわり基金弁護士です!


全国各地で活躍するひまわり基金弁護士が、赴任先での仕事の様子や暮らしについてご紹介します。


橋爪 愛来弁護士(2018年7月~ 隠岐ひまわり基金法律事務所)

    

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離島暮らしに憧れて、東京で研鑽を積んだ後、隠岐に赴任されたとのことですが、実際住んでみていかがですか。

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私はもともと自分の身近な人の役に立ちたいという思いで弁護士を目指したので、人と人との距離が近い離島においては、まさに私がやりたかったことが出来ていると実感しています。隠岐の島では、知人からの相談も少なくありませんし、スーパーやイベント等に出掛けると依頼者や相手方にばったり会うこともあります。このようなコンパクト過ぎる島ですが、私は性にあっているようで、ご近所付き合いも含めて、大変居心地よく暮らしています。


住民の方々に親しまれていると実感した瞬間を教えてください。


仕事とは全く関係なく知り合った人との飲み会などで個人的にご相談を受けたときです。例えば、知人にお金を貸したけれども返ってこないというご相談で、この方は受任し、無事解決しました。その後、その方に私のことを紹介されたという別の知人からも相談があり、その方は相談のみでしたが、その後、無事解決しました。おそらく、私が飲み会に参加していなければ、弁護士に相談する機会もなかったのではないかと思うと、これまで法的サービスが行き届いていなかったところに手が届いた瞬間だったのではないかと実感しています。



自治体や関係機関の方とはどのようなお付き合いがありますか。


高齢化率が高いことや、独居高齢者の増加により、成年後見関係の仕事が多いため、役場福祉課や社会福祉協議会との連携が一番多いです。それ以外にも、いくつか行政の委員を担当している関係で、委員の活動と関係あってもなくても、役場の方が、相談事があれば当事務所に電話をしてくださいます。様々な会に顔を出していますので、顔の見える関係になっていることが多く、ちょっとしたことでも当事務所に電話してみようと思ってくださっていることが嬉しいです。



弁護士をより身近に感じてもらうため、どのような活動をしていますか。


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仕事でもプライベートでも、なるべくたくさんの人に会い、集まりに参加してきました。子どもが生まれてからは難しくなってしまいましたが、とにかくフットワーク軽く、がモットーです。例えば、子どもが生まれる前に住んでいたアパートでは、アパートの住人全員に声を掛けて、みんなで飲み会をしたこともあります。相談者や依頼者の方は外で会ってもこちらからは声を掛けないようにしていますが、それ以外の方には、なるべく私から挨拶をして、話しやすい雰囲気を作るように心がけています。




弁護士と市民の理想の関係、隠岐で見つかりましたか?


隠岐に来て気が付いたことは、弁護士は決して特別な存在ではないということです。確かに、司法過疎地域では弁護士は雲の上の存在というイメージがあるのかもしれません。でも、私自身は弁護士になる前も後も何も変わっていなくて、ただ職業が弁護士になったというだけです。隠岐では仕事とプライベートの境目がなくなりがちですが、それは弁護士だけではなく他の職業の方々も同じです。ちょっと珍しい職業だからといって弁護士の側が自分を特別視するのではなく、自分はどこにでもいる30代の女性だということをいつも意識して生活することで、隠岐の方々との繋がりを広げていくことが出来たのではないかと感じています。