弁護士偏在解消のための経済的支援の概要と紹介

henzaikaisyou.jpg日弁連では、弁護士が偏在している地域で法律事務所を開設しようとする弁護士や弁護士・弁護士法人に対して以下の経済的支援を行っています。

支援の対象の具体的な条件や支援内容、申請手続等については、以下までお問い合わせください。


日本弁護士連合会業務部業務第二課 TEL:03-3580-9918


また、総合研修サイトでは、eラーニング「icon_page.png弁護士過疎地域で開業する魅力とそのノウハウ」を掲載しています。ぜひご覧ください。(※総合研修サイトへリンクします)


偏在解消対策地区における経済的支援

弁護士の偏在解消が必要な地区に開業しようとする弁護士や、公設事務所弁護士を養成する弁護士・弁護士法人に対し、経済的支援を行うもので、下記のような複数のメニューを設けています。


1 偏在解消対策地区

日弁連は、以下のどれかを満たす地域を、偏在解消対策地区(弁護士の偏在解消が必要な地区)と定めています。
① 弁護士1人あたりの人口が3万人を超える地区(地方裁判所支部管轄区域単位)
② 法律事務所(弁護士が常駐しない弁護士法人の従たる事務所を除く。)が2か所以上存在しない地区(簡易裁判所管轄区域単位)
③ 当該市町村に法律事務所が存在しない地区(市町村単位)
④ 上記①②③に準ずる地域その他弁護士偏在解消のために特別な対策が必要と認められる地域


2 独立開業支援

偏在解消対策地区で独立開業しようとする弁護士または弁護士登録をした上で独立開業しようとする司法修習生に対し、事務所開設費用および当面の運営費用として350万円を上限に無利息で貸し付けます。
なお、即時・早期独立の場合には、弁護士会または弁護士会連合会から、弁護士実務等に関する技術的支援が受けられることが条件となります。


3 常駐従事務所開設支援

偏在解消対策地区に弁護士が常駐する従たる事務所を開設する弁護士法人に対し、事務所開設費用および当面の運営費用として350万円を上限に無利息で貸し付けます。なお、従たる事務所に常駐する弁護士の実務経験が乏しい場合には、弁護士会または弁護士会連合会から、弁護士実務等に関する技術的支援が受けられることが条件となります。


特別独立開業等支援対象地区に対する支援

1 特別独立開業等支援対象地区

日弁連では、地裁支部管轄内の法律事務所が3以下の地域等で国選弁護・当番弁護・法律扶助のいずれかを受任する弁護士が1名以下の地域又はこれに準ずる地域を特別独立開業等支援対象地区として、偏在解消対策地区に対する経済的支援に加重する形で支援を行っています。


2 加重支援の内容

特別独立開業等支援対象地区に法律事務所または弁護士が常駐する従たる法律事務所を開設する弁護士・弁護士法人に対し、事務所開設費用および当面の運営費用として、偏在解消対策地区の場合の350万円に300万円を加算し、650万円を上限として無利息で貸し付けます。貸付金のうち300万円については、申請により、経済的状況にかかわらず、公益的事件を積極的に受任していただいた場合には返済の免除を受けることができます。


偏在対応弁護士になるには

偏在対応弁護士になるには、①司法修習後、すぐに独立開業する方法、②一般事務所や組織内弁護士などを経て独立開業する方法、③養成事務所での養成を経て独立開業する方法があります。

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上記のうち、①と②のうち独立開業を前提としているために通常水準の所得の保障がない方で、概ね2年以内に偏在対応弁護士(または公設事務所弁護士)となることを予定する方に対しては、準備のための費用として100万円を上限として貸し付ける制度があります。

この貸付金は、無利息で、また、現実に独立開業をするなどして偏在対応弁護士等になった場合には、返済の免除が受けられます。


③④のように、養成事務所での養成を経て独立開業をする方法もあります。養成事務所では、偏在対策地区で独立開業するにあたって必要な実務経験のほか、経営などのノウハウについても学ぶことができます。なお、偏在対策地区で独立開業を目指しているが、一般の事務所や組織内弁護士になったものの、事件の偏りなどのために独立開業にあたって多様な経験が詰めていない方についても、新人弁護士等に準じて養成事務所での養成が受けられる場合があります。養成事務所については、arrow_blue_1.gif養成事務所とはをご参照ください。