特別手続(Special procedures)の活用方法

特別手続(Special procedures)とは、特定の国の人権状況あるいは特定の人権に関わるテーマについて、各国を対象とした調査や監視を行い、勧告(recommendations)や報告書(reports)の公表を行う人権理事会(HRC)のメカニズムをいいます。特別手続のために任命される独立した専門家を任務保持者(Mandate-holders)といいます。任務保持者は人権理事会によって任命されますが、NGOも候補者を推薦することができます。


現時点で国別の特別手続(Country mandates)の対象となっているのは8つの国と地域(アジア地域で対象となっているのは、朝鮮民主主義人民共和国、ミャンマー(ビルマ)、カンボジア、パレスチナの4つの国と地域)です。



テーマ別の特別手続(Thematic Mandates)としては、現在、恣意的勾留(Working group on arbitrary detention)、子どもの人身売買・売春及び児童ポルノ(Special Rapporteur on the sale of children、 child prostitution and child pornography)、言論と表現の自由(Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression)、移民の人権(Special Rapporteur on the human rights of migrants)、人種差別(Special Rapporteur on contemporary forms of racism、 racial discrimination、 xenophobia and related intolerance)、女性に対する暴力(Special Rapporteur on violence against women、 its causes and consequences)、多国籍企業(Special Representative of the Secretary-General on the issue of human rights and transnational corporations and other business enterprises)といった33の幅広いテーマが取り上げられています。

特別手続についての詳細は、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のホームページをご覧ください。

icon_page.pngSpecial Procedures of the Human Rights Council

 

任務保持者(Mandate-holders)による調査のための訪問(Country visits)と報告書の公表(presenting reports)

任務保持者(Mandate-holders)は国連加盟国からの招聘を受けて、任務に関する調査、監視のために各国を訪問することができます。任務保持者は、訪問に関する報告書(Reports)を公表し、その中で勧告(Recommendations)という形で人権状況を改善するよう求めます。

 

実際、これまでに何人かの任務保持者が調査のために日本を訪問し、報告書を公表しています。著名な例として、「女性に対する暴力に関する特別報告者」(Special Rapporteur on violence against women、 its causes and consequencese)クマラスワミ氏(当時)が慰安婦問題の調査のために来日したほか、人種差別(Special Rapporteur on contemporary forms of racism、 racial discrimination、 xenophobia and related intolerance)、移民の人権(Special Rapporteur on the human rights of migrants)に関する特別手続(Special procedures)の任務保持者(Mandate-holders)も来日しています。

 

このような特別手続(Special procedures)の任務保持者(Mandate-holders)による訪問に関する活動としては、次のようなものが挙げられます。

 

  • 任務保持者に対して日本を訪問するよう提案する(多くの訪問要請があると、任務保持者の訪問が実現する可能性が高くなります。また、現在、日本はすべての任務保持者を招聘しており、任務保持者が日本に対し訪問を申し入れれば、日本への訪問が実現する可能性があります)
  • 任務保持者に対して情報提供をして、報告書や勧告に反映するよう求める
  • 特別手続(Special procedures)の勧告を政府が実施するようフォローアップ(follow-up)のための活動を行う

 

特別手続(Special procedures)に対する通報手続(Communications)

人権侵害に対応する特別手続(Special procedures)が存在し、人権侵害に関する情報(加害者、被害者、人権侵害の日時場所、人権侵害の具体的な態様など)を持っている場合、特別手続に対して通報(Communications)をすることができます。この通報は、日本が個人通報制度(Individual communications)を受け入れていない現状では大きな意味を持っています。実際、日本から、恣意的拘禁に関する特別手続(Working group on arbitrary detention)に対する通報が申立てられた例などがあります。


通報を受けると、特別手続で、通報に基づいて調査を行うか否かを判断します。調査を行うことになった場合、通報対象となった人権侵害について関係する政府に通知書を送付し、情報提供を求めたり、対応策を講じるよう要請したりすることがあります。また、通報をきっかけに、関係する政府に対して勧告(Recommendations)が出されることもあります。


一定の特別手続では、通報をするための質問票(questionnaires)が国連人権高等弁務官事務所(Office of the High Commissioner for Human Rights、 OHCHR)のホームページ上で用意されています。

icon_page.pngModel Questionnaires




通報の送付先は以下のとおりです。


Special Procedures Division
Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights
Palais des Nations
8–14、 avenue de la Paix
CH–1211 Geneva 10 - Switzerland
Fax: +41 (0)22 917 90 06
E-mail: urgent-action@ohchr.org


(注意)ファックスや電子メールによる送付の場合は件名、郵送の場合は封筒に、通報先の特別手続の名称を記入してください。