法教育コラム

いつかの未来のために(法教育コラム)

第91回 法教育の地域内格差

日弁連「市民のための法教育委員会」委員
静岡県弁護士会「法教育委員会」委員
佐々木 慎吾


法教育委員会に入って10年ほどになりますが、ここ数年で出前授業の回数が増えてきました。私は、浜松市内の事務所におりますので、浜松市を中心に静岡県西部の学校を主に担当しています。
特に、浜松市では、自治体との法教育協定締結により、かなりの回数の出前授業をさせていただいております。


待てよ、浜松市も広いぞ…
浜松市は全国の市町村で2番目に広い面積を有していますが遠くの学校へ行った覚えはあまりありません。


これまでに出前授業をさせていただいた学校を振り返ると、どうしても中心部に近い学校に偏っているように思われます。もちろん、中心部に近いほど学校の数が多いこともあるかとは思いますが。
静岡県西部の片田舎に生まれ、茶畑で缶蹴りをして育ったような私からすると、中心部よりも郊外、はっきり言うともっと田舎の方に肩入れをしたいという気持ちもあります。
弁護士は、どうしてもその地域の中心都市、その中でも裁判所周辺に集中してしまいます。かくいう私の事務所も、静岡地方裁判所浜松支部の近くにあります。もしかしたら、「こんな遠くまで来てもらうのは…」と思われているのかも知れません。


このコラムをお読みいただいた方の中に、中心部から遠い学校にお勤めの先生がいらっしゃいましたら、是非とも遠慮せずに出前授業の依頼をしてみてください。(その際、できれば「ここの○○が美味しい」といった情報をいただけると幸いです)
ちなみに、私の高校時代の部活の恩師は、遠慮無く遠くまで呼んでくれています。


「地域内格差」というタイトルを付けましたが、法教育は、その理念からすれば、すべての児童・生徒にあまねく提供されるべきですので、この格差は解消していかなくてはなりません。出向く方からすると長距離の移動が負担であってもです。
とは言っても、出前授業を受け入れてもらわないとお話になりませんので、中心部から距離のある学校にお勤めの先生は、格差解消のお手伝いだと思って出前授業の発注をご検討いただければと思います。私に各地のご案内をする権限があるかはさておき、「詳しくは最寄りの弁護士会に」とお伝えしておきます。


余談ですが、法教育界隈では代表的な教材である「カラオケ事例」について、もの申します。
これは、カラオケの騒音に困った周辺住民と営業をそのまま続けたいカラオケ店、大音量でカラオケを楽しみたいお客さんらの利益を調整する事案ですが、自然が豊かなところの子からすると、カラオケやその騒音にあまり実感がわかないのではないかという疑問が私の中で燻っていますが、「街の子」からの賛同を得るには至っていません。