法教育夏季セミナー開催

法教育夏季セミナー写真18月19日(土)、弁護士会館において、2006年度法教育夏季セミナーを実施した。本セミナーは、2004年11月に法務省法教育研究会が公表した4単元のサンプル授業案を足掛かりに、実践上の課題検討や経験交流を行い、学校現場での法教育実施に資することを狙いとするものである。全国から44名の会員と53名の教員・研究者が参加した。


授業プランの実践的検討

法教育夏季セミナー写真2
市民のための法教育委員会委員の池田耕一郎会員(福岡県)が、法教育の理念と望まれる教育内容、日弁連の法教育に対する取り組み経緯などを報告した。
これを前提に、「ルールづくり」「私法と消費者保護」「憲法の意義」「司法」の4単元(6プラン)のサンプル授業案を順次検討するワークショップを約4時間にわたって行った。授業プランごとに、助言者等として作成に関与した委員を含む同委員会委員が、作成チーム所属教員に質問する形で授業の狙いなどを示した。その後、指導上の留意点など授業実践上の課題を討論した。


今後の課題など

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ワークショップでの討論を踏まえ、江口勇治教授(筑波大学)、館潤二教諭(同大学附属中学校)、永野薫教諭(新宿区立落合第二中学校)、船岡浩会員(大阪)、姜文江会員(横浜)の5名のパネリストが、教育研究者・授業実践者・法曹の各視点から、授業案相互の有機的関連づけ、法批判的授業案の要否、生徒の学校生活内に題材を求めることの長短など、今後の授業づくりをも視野に入れ討論した。


法教育は、すでに議論の段階を過ぎ実践段階に入っている。本セミナーは、教壇に立つ教員、これをサポートする弁護士の両者にとって、理念に沿った授業づくりのために多くの有益な示唆を与えるものであった。

 

市民のための法教育委員会 副委員長
野坂 佳生