憲法って、何だろう?

憲法って、誰のために、何のためにあるの?

憲法は、国民の権利・自由を守るために、国がやってはいけないこと(またはやるべきこと)について国民が定めた決まり(最高法規)です。


たとえば、国民の表現の自由を守るため、憲法21条は「…表現の自由は、これを保障する」と定めて、国に対し、国民の表現活動を侵してはならないと縛りをかけているのです(これが「基本的人権の保障」です。)。


このように、国民が制定した憲法によって国家権力を制限し、人権保障をはかることを「立憲主義」といい、憲法について最も基本的で大切な考え方です。


そして、国民の権利・自由を守るため国に縛りをかけるという役割をもっている憲法が、簡単に変えられてその縛りが緩められてしまうようでは困りますから、通常、立憲主義の国では、憲法を変えるには、普通の法律を変えるより厳しい手続が必要とされています。


憲法は、国民のために、国民の権利・自由を国家権力から守るためにあるのです。



憲法は法律と何が違うの?

法律というと、私たちが守らなくてはいけないもの、そして違反すると処罰されることもあるもの、という恐いイメージがあるかもしれません。憲法は、そのような法律とは違って、私たちの権利・自由を守るためにあるのです。


法律の多くは私たちを縛る。憲法は私たちの権利・自由を守るため国を縛る。法律と憲法とでは、向いている方向が逆と考えるとわかりやすいでしょう。


日本国憲法も、まさに立憲主義に基づく憲法として、国家権力に縛りをかけることで、人権を保障しています。


すなわち、13条で「すべて国民は、個人として尊重される」と個人の尊重を宣明した上で、表現の自由(21条)や居住、移転の自由(22条)など多くの権利・自由を列挙して保障しているのです(詳しくはarrow_blue_1.gif「立憲主義の堅持と日本国憲法の基本原理の尊重を求める宣言」)。


そして、このような日本国憲法は、それが簡単に変えられてしまって人権保障が弱められることのないよう、96条で、憲法の改正には各議院の総議員の3分の2以上の賛成による国会の発議と国民投票が必要として、厳しい要件を定めています。



絵本「憲法って、何だろう?」のご紹介

日弁連では、憲法について分かりやすく説明している絵本「憲法って、何だろう?」を発行しています。


絵本「憲法って、何だろう?」についてもっと知りたい方はこちらのicon_pdf.gif「憲法って、何だろう?」(PDFファイル;672KB) をご覧ください。


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日本国憲法の特徴は?

日本国憲法は、第二次世界大戦への痛切な反省から、徹底した恒久平和主義を採用しました。


すなわち、日本国憲法は、前文で「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」との決意を表明し、全世界の国民が平和的生存権を有することを確認した上で、9条で戦争放棄、戦力不保持及び交戦権の否認を定めています。


日本国憲法は、個人の尊厳と恒久の平和を実現するという目標を掲げ、その実現のための不可欠な前提として平和的生存権を宣言し、具体的な方策として9条を定めたのです(詳しくはarrow_blue_1.gif「平和的生存権および日本国憲法9条の今日的意義を確認する宣言」)。


日本国憲法 一枚辞典(クリアファイル)のご紹介

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