逮捕されたとき
もしも、逮捕されたら
「犯人として警察に疑われてしまうことなんか、自分には起こらない。あり得ない。」、そのように考える人は多いかもしれません。
しかし、交通事故などで意図せず人に怪我をさせてしまった場合や、お酒に酔って喧嘩に巻き込まれた場合、あるいは全く身に覚えがなくても、警察に犯人として疑われ、逮捕されてしまうことは、日々、起こっています。
逮捕されてしまうことは、決して「あり得ない他人事」ではないのです。
当番弁護士を呼んでください
逮捕されたら、まず当番弁護⼠を呼んでください。
逮捕された⼈は、無料で1回、弁護⼠を呼んで相談することができます。これを当番弁護⼠制度といい、派遣される弁護⼠を「当番弁護⼠」といいます。
当番弁護⼠の派遣は、本⼈(年齢を問いません。)だけでなく家族でも依頼することができます。
本⼈が当番弁護⼠の派遣を依頼する場合は、警察官、検察官または裁判官に「当番弁護⼠を呼んでください。」と伝えてください。
家族が当番弁護⼠の派遣を依頼する場合は、逮捕された場所の弁護⼠会に電話をしてください。
当番弁護士制度
当番弁護士は、例えば、本⼈からの、
「いつ出られるのか。これからの⼿続はどうなるのか。」
「取り調べにはどのように対応すれば良いのか。」
「弁護士にお願いしたいが、知っている人がいない。」
といった相談に対応することができます。
弁護⼠は、家族や友⼈が⾯会できない場合でも、警察官の⽴会なく⾯会することができます。
また、今後の⼿続きに関する疑問に答え、保障されている権利を説明して、本⼈や家族の不安や混乱を少しでも和らげるよう活動します。
当番弁護士制度は初回面会無料|家族が逮捕されたら|日弁連|
逮捕後の流れ
逮捕されてしまった場合、警察官や検察官から取調べを受けることになります。場合によっては、その後、勾留され、長い時には23日もの間、身体拘束を受けたまま、取り調べや捜査が続くかもしれません(捜査の結果、起訴された場合には、さらに長く身体拘束を受ける場合もあります。)。
自分の立場や保障されている権利がわからないまま、取調べを受けて、十分確認せず供述調書と呼ばれる書面に署名指印してしまうと、思いもよらない罪で起訴され、そのまま有罪とされてしまう恐れがあります。
また、身に覚えがあっても、例えば被害者がいる場合、自分一人だけでは被害者と示談の話し合いをすることも困難なことが少なくありません。
逮捕されてしまったら、弁護人(※)による支援が必要です。
※刑事事件では、弁護士のことを「弁護人」と呼びます。
弁護人を依頼するには
弁護人の立場としては、本人や家族と弁護士が直接契約をする私選弁護人と、逮捕に引き続き勾留されてしまった場合などに裁判所によって選任される国選弁護人とがあります。
なお、逮捕されているときと勾留された後(上の「逮捕後の流れ」参照)とでは、選べる弁護人の立場に違いがあります。
逮捕されているとき
費用を負担して弁護を頼む(私選弁護人)
自身で費用を負担して弁護を依頼したい場合には、その弁護士と委任契約を締結し、私選弁護人として活動を依頼することになります。弁護士を探すか、お知り合いの弁護士に連絡を取って費用や活動内容について相談をしてください(お知り合いに弁護士のいない方は、各地の弁護士会にご相談ください。)。
日弁連(弁護士会)の負担で弁護を頼む(刑事被疑者弁護援助事業)
逮捕されてから勾留されるまでの間で、私選弁護人に依頼するお金がないなどの要件を満たす場合には、日弁連が実施する刑事被疑者弁護援助事業を利用して弁護を依頼することができます。希望する場合は、当番弁護士または依頼しようとしている弁護士に相談してください。
勾留された後
費用を負担して弁護を頼む(私選弁護人)
自身で費用を負担して弁護を依頼したい場合には、その弁護士と委任契約を締結し、私選弁護人として活動を依頼することになります。弁護士を探すか、お知り合いの弁護士に連絡を取って費用や活動内容について相談をしてください(お知り合いに弁護士のいない方は、各地の弁護士会にご相談ください。)。
国の費用で弁護を頼む(国選弁護人)
勾留された後、私選弁護人を依頼する費用がない等一定の条件を満たす方は、国が弁護士費用を負担して、弁護人を依頼する被疑者国選弁護制度を利用することができます。同制度を利用したい場合は、警察官、検察官又は裁判官に「被疑者国選弁護制度を利用したい。」と言ってください。なお、特定の弁護士を指定することはできません。
弁護人にできること
弁護人は、逮捕されてしまったあなたの味方として、次のような弁護活動ができます(ただし、事案ごとに適切な弁護活動の内容は変わりますので、実際の事件においてどうするのがよいのかは、あなたの弁護人とよく相談をしてください。)。