採用に関するQ&A

自治体内弁護士を目指す方からいただく、よくあるご質問

採用に関するQ&A

Q01 自治体内弁護士の募集情報を入手する方法は?

募集情報は各自治体のウェブサイトに掲載されますが、日弁連のウェブサイト「icon_page.pngひまわり求人・求職ナビ」に情報が集約されていますので、こちらをご覧いただくのが便利です。
また、日弁連では、「icon_page.png任期付公務員等キャリア・マガジン」というメールマガジンを随時発行しており、日弁連会員専用ホームページから登録することにより、最新の募集情報に加え、募集自治体による採用説明会や自治体内弁護士によるセミナー・懇談会等の各種イベント情報をタイムリーに入手できます。


Q02自治体内弁護士の経験者に話を聞いてみたいのですが。

日弁連や各弁護士会では、自治体内弁護士によるセミナーや懇談会等のイベントを随時開催しています。 このほか、自治体内弁護士の経験者から個別に話を聞いてみたい場合には、日弁連にお問い合わせいただければ、アドバイザー(経験者)を紹介します。


Q03 行政法・自治体に関する知識・経験はどのくらい必要になるのでしょうか?

これまで自治体に任用された弁護士の多くは、自治体行政に関連する仕事の経験がほとんどなく、行政法等の知識についてもごく一般的な範囲にとどまっていたようです。 もちろん、自治体で勤務するには行政法等の知識が必要になりますが、むしろ弁護士としての実務経験や幅広い視野が強く求められていると考えられます。


Q04 自治体はどのような人材を求めているのでしょうか?

与えられた仕事をこなすだけでなく、積極的に他の職員と交流し、自ら仕事を開拓する意欲のある人材が求められています。


Q05 任期はどのくらいになるのでしょうか?

法律上は最大5年です。当初から5年の任期で採用された方もいますが、多くの方が、2年または3年の任期で採用されており、その後に任期の延長が行われるケースが少なくありません。


Q06 採用選考の手順はどのようなものでしょうか?

自治体により異なりますが、所定の応募用紙に記入のうえ提出し、書類選考を経て面接が行われるというのが一般的です。


Q07 弁護士業務との兼業はできるのでしょうか?

常勤職員として採用されれば、地方公務員法で兼業は禁止されます。ただし、自治体の許可を受ければ兼業は可能となります。一方、非常勤職員や任期付短時間勤務職員としての採用であれば、弁護士業務を行うことは可能です。


Q08 特定/一般任期付職員の場合、給与はどのくらいでしょうか?

自治体により異なりますが、年間800万円~900万円代の自治体が多いようです。ただし、特定/一般任期付職員の中でも、その給与額は500万円程度から1000万円と幅があります。基本となる給与は役職等に応じて決められることが多く、地域手当の違いによっても若干の差が出てきます。


Q09 勤務時間や休日はどのようになっているでしょうか?

特定/一般任期付職員の勤務時間は、他の職員と同じです。 また、休日も他の職員と同じであり、土日祝日の他に有給休暇(夏期休暇を含む。)もあります。


Q10 いきなり管理職として業務を行えるか不安です。

通常は弁護士がラインの課長として採用されることはなく、立場は管理職でも、上司と相談しながら業務を行っているようですので、心配しなくても大丈夫です。


Q11 自治体内弁護士の仕事のやり甲斐はどのようなところにあるのでしょうか?

日弁連が平成25年11月から翌26年1月にかけて自治体勤務経験のある法曹有資格者を対象に実施したアンケート結果によれば、自治体の業務内容の幅広さや社会的影響力の大きさ、公の仕事に役に立っていること、職員から感謝されていることなどが挙げられており、多くの弁護士が大いにやり甲斐を感じて活躍しています。
また、その自治体で初めて採用された弁護士の場合には、自治体内弁護士としての業務ないし役割を一から開拓していくというやり甲斐もあります。


Q12 顧問弁護士との関係はどのようになるのでしょうか?

自治体の規模等にもよりますが、庁内の日常的な法律相談を自治体内弁護士が担当した上で、案件に応じて顧問弁護士に相談するという関係が多いようです。また、訴訟については、自治体内弁護士が指定代理人を務めることもありますが、その場合でも、顧問弁護士が訴訟代理人となり、自治体内弁護士はそのバックアップを行うことが多いようです。
このように自治体内弁護士が顧問弁護士との窓口・橋渡し役となることにより、顧問弁護士と自治体のコミュニケーションが円滑に行われるというメリットがあります。
また、自治体職員にとっても,自治体内弁護士から,案件の内容や見通しについて分かりやすく説明を受けることができるというメリットもあります。


Q13 採用された場合に自治体内弁護士同士の交流はあるのでしょうか?

日弁連では、自治体内弁護士同士の交流の場として、意見交換会を随時開催しており、自治体内弁護士同士のネットワーク作りをバックアップしています。


Q14 弁護士登録を維持するメリットは?

①弁護士会の人脈・ネットワークの活用、②委員会活動や研修への参加、③弁護士会の図書館の利用等は、自らのスキルアップのみならず、自治体での仕事にも役立ちます。 また、対外的な折衝だけでなく、庁内折衝の場面でも、弁護士の肩書きが有効な場合があります。
自治体と地元弁護士会との連携を強化するためにも、自治体内弁護士には、両者を繋ぐ貴重なパイプ役として大きな期待が寄せられており、弁護士会の中には、自治体内弁護士の弁護士会費を減免しているところもあります。


Q15 任期が終わった後はどのような道が考えられるのでしょうか?

①勤務していた自治体で独立開業した方、②法律事務所に復帰し、自治体の非常勤職員や顧問弁護士として活躍している方、③自治体法務を多く扱う法律事務所に入所した方、④中央省庁の任期付職員として活躍している方、⑤民間企業の組織内弁護士として活躍している方等がいます。
法化社会や地方分権の進展に伴い、地方行政の実務や現場感覚を身に付けた弁護士に対する需要は、今後益々高まっていくことが予想されます。また、自治体内弁護士として培った豊富な経験と幅広い人脈は、その後どのような道を歩もうとも、長い弁護士人生の中で必ずや大きな財産となるはずです。