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創業者が知っておきたい8つの法的ポイント

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第6回 2019年5月7日号 店舗を経営するときはどのような契約が必要?~賃貸借契約、請負契約、フランチャイズ契約の注意点~

弁護士 髙砂 美貴子

■プロフィール
髙砂 美貴子
日弁連中小企業法律支援センター 委員(東京弁護士会 所属)

ポイント
・賃貸借契約は、賃借人が負担する義務の範囲を明確に規定する。
・請負契約(注文者側)は、注文内容と成果物に齟齬があった場合の請負業者の責任の範囲と、途中で工事内容の追加変更をした場合の取扱いについて、特に注意して契約する。
・フランチャイズ契約は、本部(フランチャイザー)と十分協議したうえで、契約内容を具体的かつ明確に取り決める。

店舗を経営する場合に必要な各種契約

店舗を構えて事業を行うには、事案に応じていくつもの契約を締結しなければなりません。例えば、店舗を
借りる場合には賃貸借契約を締結する必要がありますし、内装などのリフォームを行うのであれば、リフォーム業者と請負契約を締結することになります。フランチャイズとして事業を行うのであれば、本部(フランチャイザー)との間でフランチャイズ契約を締結しなければなりません。
ここでは店舗を構えて事業を行う場合に必要な3つの契約類型(賃貸借契約、請負契約及びフランチャイズ契約)のポイントを解説します。

賃貸借契約(賃借人側)の注意点

通常賃借人は賃貸人に「敷金」「保証金」を納付します。これは、一般的に、契約終了時に、修繕費用等の賃借人の債務を控除して残額が返却されますが、特約で返却されない場合もありますので、事前に確認しましょう。
店舗の修繕・改造を行う場合、後日のトラブルを避けるために、それぞれの修繕義務について契約書に明記しておくのが望ましいでしょう。
さらに、退去時の原状回復義務の範囲は契約書に明記しておきましょう。店舗賃貸借契約の場合、住居用建物の場合に比べて、賃借人の負担範囲を広くする特約が有効とされる可能性が高いので、注意が必要です。

請負契約(注文者側)

設計図書や仕様書を契約書に添付する形で、求める仕様や工事内容を明確に規定しましょう。また、工事完成後の引渡し前に不可抗力で成果物が滅失した場合の処理、その費用負担といった点はトラブルになりがちです。その他、成果物の検収方法や検収で不合格になった場合のフローなども契約書で取り決めておけば、トラブルになってもスムーズな対応ができるでしょう。
なお、契約後工事内容を追加・変更する場合、現場での口約束で処理されがちですが、発注書や受注書等の書面を取り交わして、双方の間で認識にずれが生じないようにしましょう。

フランチャイズ契約

フランチャイズ契約とは、本部(フランチャイザー)が加盟者(フランチャイジー)に特定の商標・商号等を
使用させるとともに統一的な方法で経営指導等を行い、その対価として加盟者が本部に金銭(ロイヤルティ)を支払う事業形態をいいます。
本部の商標等がもつブランドと信用力を利用しますので、加盟者は、使用できる商標・商号が明記されているか十分確認しましょう。
また、加盟者が本部から受ける経営指導の内容や方法は契約で明確に規定しておくべきです。
さらに、本部に支払うロイヤルティの金額、算定方法等も加盟者の利害に直結する最も重要な項目ですので、本部に対して十分な説明を求め、納得した上で契約に記載しておきましょう。

 

参考ページ> 創業(企業) 交渉契約 下請法