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創業者が知っておきたい8つの法的ポイント

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第7回 2019年5月29日号 ウェブサイト上で商品やサービスを販売する場合の留意点は?

弁護士 土森 俊秀

■プロフィール
土森 俊秀
日弁連中小企業法律支援センター 委員(東京弁護士会 所属)

ポイント
・ウェブサイト上での商品やサービスの販売は、特定商取引法上の「通信販売」に該当し、一定の事項につき表示する義務があるほか、法律で定められたルールを遵守しなければならない。
・ 購入者の氏名や住所等の個人情報を取得して取り扱うため、利用目的の公表など個人情報保護法のルールを遵守する必要がある。
・トラブル防止のために利用規約を定め、利用者の同意を得るようにしよう。

特定商取引法の表示義務等のルールを守りましょう

事業者がインターネットや郵便等の通信手段により申込みを受けて、商品の販売あるいは役務を提供する取引は、特定商取引に関する法律(特定商取引法)上の「通信販売」に該当し、同法の定めるルールを遵守する必要があります。そして、同法では、広告を行う際に原則として下記を含む一定の事項を表示することが義務付けられています。 

・販売価格または役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格および商品の送料)  
・代金(対価)の支払時期、方法
・商品の引渡時期もしくは権利の移転時期または役務の提供時期 
・売買契約の申込みの撤回または売買契約の解除に関する事項(返品の特約がある場合はその旨)
・事業者の氏名(名称)、住所および電話番号

個人情報の取り扱いに関するルールを守りましょう

ウェブサイト上で商品を販売する場合、必然的に購入者の個人情報を取得して取り扱うことになります。個
人情報を取得する際は、その利用目的を具体的に特定し、あらかじめ公表するか本人に知らせる必要があり、
実務的にはプライバシーポリシー(個人情報保護方針)を定めてウェブサイト上で公表することが重要です。
なお、従前は取り扱う個人情報が5000件を超えない小規模取扱事業者は規制の対象外とされていましたが、2017年5月30日からはすべての事業者が対象とされています。中小企業であっても個人情報の取り扱いのルールを理解し、遵守する必要があります。

利用規約を定めてトラブル防止に役立てましょう

「利用規約なんて誰も読んでないし何の意味があるの?」と思われるかもしれません。しかし、例えば、ウェブサイト上で提供していたサービスの内容を途中で変更したい場合、利用規約でその扱いについて定めていないとトラブルになってしまうことが容易に想像されます。ウェブサイト上での取引では契約書がありませんが、それに代わるものが利用規約といえます。
予め、適切な利用規約を定めて、適切に利用者の同意を得ることで、取引に関して法律が用意している任意規定(当事者の合意で変更することができます。)とは異なった取引ルールを設定することができるほか、購入者からクレームがあったの解決指針となりスムーズな解決に役立ちます。
利用規約には、サービスの内容、代金及び支払方法、禁止事項、知的財産権の帰属、サービスの停止中断、サービス内容の変更終了、免責、個人情報の取扱い、準拠法・裁判管轄などが定められるのが一般的です。

その他ウェブサイトを使った事業での注意点

ここで取り上げた特定商取引法や個人情報保護法のルールのほかにも、広告の仕方(景品表示法など)や、ウェブサイト上で使用するコンテンツに関する注意点(著作権など)など、ウェブサイト上で商品やサービスを販売する場合に留意しなければならない点はたくさんあります。ウェブサイトを使った事業について、多くの実例の経験や知識がある弁護士に気軽に相談し、トラブル防止に役立てましょう。

 

参考ページ> 創業(企業) 交渉契約