会長からのご挨拶・日弁連Diary

会長からのご挨拶


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新年度が始まり、3か月が経過しました。


日弁連はこの間、昨年開催することができなかった役員就任披露の式典を4月15日に開催しました。会場となったホテルと綿密な打合せを行い、新型コロナウイルス感染症に対する万全な備えをした上で、今回初めて行うこととなったオンラインによるご出席を含め、多くの方々のご臨席を賜りました。


その後、新型コロナウイルスの感染拡大により、1都3府県を対象として緊急事態宣言が発令され、5月には対象地域が拡大されました。宣言の期間も延長されたことにより、この対象地域内の市民や事業者の方々は、昨年に引き続き、極めて大きな制約を受けながら日常生活を送り、事業を行っておられます。


日弁連は、これまで、全国の弁護士会及び会員の協力を得ながら、コロナ禍の中で発生している様々な法的問題について、無料法律相談等を実施してきました。そして、昨年の4月から7月までと、今年2月から3月までを対象に、寄せられた相談事例を集計し、比較したところ、次のとおり大きな相違が見られました。


昨年4月から7月のコロナ関連法律相談では、労働問題と消費者問題の相談がほぼ5割を占めていましたが、今年2月から3月には、借入金問題と公的支援制度についての相談がほぼ5割を占めていました。


詳細は、こちらに掲載された結果概要をご覧ください。


これは、市民や事業者の方々が、コロナ禍の収束の見通しが立たない中で、長期間にわたって苦しい生活を送り、事業を行う中で、生活資金や運転資金が逼迫し、忍耐の限界を超えつつあることを示しているものと言えます。


この傾向は、昨年12月1日から新型コロナウイルス感染症への適用が開始された「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」による登録支援専門家への委嘱件数が、今年3月末日時点で676件にもなったことにも表れています。


本格的に始まったワクチン接種が奏功し、コロナ禍が収束に向かうことを期待するものですが、残念ながら収束までにはそれなりの期間を必要とすると予想されます。また、収束したとしてもこれまで累積されたダメージを回復するためにはかなりの期間を要するはずです。私たち弁護士は様々な課題を抱えるに至った人々に対して必要かつ適切な法的支援をこれからも行っていきたいと思っています。


第204回通常国会は、6月16日に閉会しましたが、少年法改正案が成立し、衆参両院の法務委員会において附帯決議がなされました。参議院の法務委員会の附帯決議の中に、日弁連が強く求めてきた検察官送致の場合の考慮要素(要保護性)が含まれましたので、この決議の内容が今後実務の中で十分生かされるよう活動していきます。


また、出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正案は、事実上廃案となりました。日弁連としては、これまでに公表した意見書や会長声明において言及した問題点が克服された内容での抜本的な改正案が作成されるよう取り組んでいきたいと思っています。


私たち役員、総次長及び職員は、前年度と同様、日弁連の活動を積極的に行い、役割を果たすために最善を尽くしてまいります。引き続きご支援、ご協力をお願いいたします。



2021年(令和3年)7月1日
  日本弁護士連合会会長     

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2020年・2021年度 会長 荒  中(あら ただし)

荒  中 会長プロフィール

  • 1979年 東北大学法学部卒業
  • 1982年 弁護士登録(司法修習第34期)
  • 2008年 仙台弁護士会会長
  • 2009年 日本弁護士連合会副会長
  • 2012年・2013年 日本弁護士連合会事務総長
  • 2020年・2021年度 日本弁護士連合会会長


主な日弁連委員履歴

  • 1993年~1995年 消費者問題対策委員会副委員長
  • 2006年~2008年 高齢者・障害者の権利に関する委員会事務局長
  • 2009年~2010年 刑事拘禁制度改革実現本部副本部長
  • 2009年~2010年 国選弁護対応態勢確立推進本部副本部長
  • 2014年~2017年 法曹養成制度改革実現本部本部長代行


   

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