外国人の在留管理を強化する新しい外国人雇用状況報告制度に対する意見書

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2007年2月15日
日本弁護士連合会


本意見書について

第166回国会に提出された雇用対策法の改正案により、新しい外国人雇用状況報告制度が設けられようとしています。


この制度は、すべての事業主などに対して、新たに雇い入れた外国人の氏名・在留資格・在留期間・国籍などの個人情報を厚生労働大臣に報告することを義務づけるもので、報告を怠ったり、虚偽の報告を行った事業主には、罰金が科されることになります。


また、このようにして把握された情報は、在留管理に関する事項の確認のため、厚生労働大臣から法務大臣に提供されるものとされています。


制度の目的は、「外国人労働者の適正な雇用管理の推進、再就職の促進を図り、不法就労の防止によって労働市場の健全性を保持すること」と説明されていますが、就労に制限のない永住者などを含むすべての外国人(特別永住者を除く)を報告の対象とすることが予定されており、外国人の在留状況を全般的に管理・監視するという目的を含んでいます。


日弁連はこれまで、外国人の在留管理を強化する動きに対し、繰り返し意見を述べてきましたが、この新しい報告制度には


  1. 雇用対策法の目的を逸脱し、健全な雇用関係の成立を阻害するおそれがある
  2. 外国人のプライバシー権や自己情報コントロール権を侵害するものである
  3. 人種差別撤廃条約に抵触するものである

という問題点があることから、2007年2月15日付けでこの制度に反対する意見書をとりまとめ、同月21日に厚生労働大臣・衆参両院の厚生労働委員会などに宛てて提出しました。


【外国人の在留管理を強化する動きに対するこれまでの日弁連意見】

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