法務副大臣「今後の外国人の受入れ等に関するプロジェクト」「今後の外国人の受入れについて」(中間まとめ)に対する意見書

→英語(English)

2006年7月20日
日本弁護士連合会


本意見書について

法務省内に設置された「今後の外国人の受入れに関するプロジェクトチーム」(主査:法務副大臣)が、2006年6月に、「今後の外国人の受入れについて」(中間まとめ)を公表しました。
この「中間まとめ」は、日本のこれまでの外国人労働者の受入れ体制は不十分であったとして、実態を踏まえた新しい受入れ策を提示しようとするものではありますが、その内容には、多民族・多文化の共生する社会の構築や外国人の基本的人権の確立という点からみて、重大な問題が含まれています。
そこで、日弁連は2006年7月20日の理事会において、この「中間まとめ」に対する意見書をとりまとめ、法務大臣宛に提出しました。

意見の要旨は下記のとおりです。


  1. 外国人の受入れを検討するにあたっては、多民族・多文化の共生する社会を構築するための条件を整備するという観点をとり入れるべきである。
  2. 外国人に対して新たに在留カード(仮称)の取得・携帯を義務づけることには、反対である。
  3. 外国人の勤務先・学校等に対し、受入れに関する入国管理局への報告を義務づけることには、反対である。
  4. 各関係行政機関の保有する外国人の情報の相互活用を可能にし、各種情報を集中的・一元的に管理して情報の総合管理機能を強化する途を開くことには、反対である。
  5. 既に日本に滞在している日系人の継続的な在留の要件として、「安定した生計維持能力(定職)」と一定の日本語能力を求めることには、反対である。
  6. 外国人労働者に対し、子弟に義務教育を受けさせることなどの義務を課すことについては、外国人の子どもが民族学校・インターナショナルスクールで学ぶことを選択する権利と矛盾するものであってはならない。また、これら教育機関への公的助成を充実させ、公立学校での日本語指導や多文化共生のための指導などが積極的に実施されなくてはならない。

 

参考

(※本文はPDFファイルをご覧下さい)