「商標審査基準」改訂案に対する意見書

2017年2月24日
日本弁護士連合会

  

本意見書について

出願された商標の特許庁における審査の際の基準である「商標審査基準」は、より適切な審査を遂行する観点から、状況に応じて見直すこととされており、改訂の際のパブリックコメントにおいては日本弁護士連合会も意見を提出しています。直近では2016年3月に、商標審査の予見可能性と一貫性の向上や、ユーザーにとっての明確性の向上を目的として、改訂が行われました。

 

特許庁所管の「商標審査基準ワーキンググループ」では、直近の商標審査基準の検討・改訂結果を踏まえ、引き続き、その他の項目の改訂が検討されてきました。

 

その改訂案が取りまとめられ、パブリックコメントに付されましたので、日本弁護士連合会はこれに対する意見書を2017年2月24日付けで取りまとめ、同日付けで特許庁に提出しました。

 

本意見書の趣旨

1 改訂案全体の基本的な考え方や方向性、また、「著名な」略称等の判断基準、外観・称呼・観念の認定と類否、結合商標の称呼、観念の認定、存続期間経過後の引用商標の取扱い、商標法制定の趣旨に反するとの理由による拒絶理由の各論点における改訂は、以下の点を除き、概ね賛成である。

出願人と引用商標権者に支配関係がある場合に、出願に係る商標が登録を受けることについて引用商標権者が了承している旨の証拠の提出があったときは、商標法第4条第1項第11号に該当しないものとする取扱いは、コンセント制度(先願商標権者の同意があれば先願商標と類似していても登録が拒絶されないという制度)を導入していない現行制度との整合性の観点からは疑問が残る。

併せて、改訂案の適用により生じ得る出所の混同等の弊害を防止するための措置が必要と思われる。(意見の理由3(4)


2 商標審査便覧の改訂についても、適切な意見聴取の機会を設けるべきである。(意見の理由5)

 

(※本文はPDFファイルをご覧ください)