みなさんは、弁護士の仕事というと、何をイメージしますか?テレビドラマの中の弁護士は、犯人に間違われている人を助けたり、罪を犯した人を弁護したりしていることが多いので、刑事事件の弁護人というイメージが強いかもしれません。
けれど、弁護士の仕事はそれだけではありません。弁護士は、社会の中で起こるさまざまなトラブルを解決するために働いているのです。
弁護士の多くは、事務所(=法律事務所)に所属して仕事をしています。事務所の規模はさまざまで、弁護士が一人しかいない事務所も数多い一方で、数百人の弁護士が所属している大きな事務所もあります。ただ、法律事務所だけが弁護士の働く場所というわけではありません。最近では、会社員として働く弁護士も数多くいます。また、国や地方公共団体、国際機関などの職員として仕事をしている人もたくさんいますし、法律の知識をいかしながら、国会議員を務める人もいたりします。一口に弁護士といっても働き方はさまざまで、それぞれの人が、自分に合った職場や働き方を選択し、働いているのです。
会社員や職員として働く弁護士の場合、仕事の進め方は、それぞれの職場によって違ってきます。法律事務所に所属する弁護士の場合には、「法律相談」が仕事のスタートになります。トラブルを抱えた人から話をよく聞いて、解決のためのアドバイスをするのです。法律相談は、法律事務所で行うことが多いですが、各地の弁護士会、日本司法支援センター(法テラス)、市区町村役場・区役所などでも行っています。
法律相談のアドバイスだけではトラブルが解決しそうにないときは、裁判で決着をつけることまで見越して、その事件の処理を弁護士に頼むことになります。
さて、トラブルにも種類があり、大きく分けると、民事事件と刑事事件の二つに分かれます。
民事事件というのは、お金を貸したのに返してくれないとか、離婚や相続で争いになったとか、私たちの日常の生活の中で起こる争いごとのことです。ここで、弁護士は、事件の一方の代理人となって、困っている人の手助けをします。
刑事事件は、罪を犯した疑いのある人(被疑者・ひぎしゃ)や罪を犯したとして裁判所に起訴(きそ)された人(被告人・ひこくにん)の捜査(そうさ)・裁判に関係するものをいいます。ここでは、弁護士は、「弁護人」として、被疑者や被告人を弁護します。
民事事件をどう解決するかということや、刑事事件においてどう刑罰(けいばつ)を科すかということは、すべて法律に基づいて行われます。法律は、私たちの自由や権利などを保障(ほしょう)し、ときには、権利と権利のぶつかり合いを調整する役割を果たしています。弁護士は、この法律をしっかり学び、正しく使う専門家なのです。
弁護士は、「基本的人権を擁護(ようご)し、社会正義を実現すること」を使命としていて、法律の専門家として、人々の自由、財産、健康などの権利を守るとともに、不正が行われることのないように、社会を見守り、みんなが安心して暮らせる社会になるよう仕事をしています。
弁護士は、多くの場合、朝何時から夜何時まで働かなければならない、ということが決まっていないので、働く時間は人それぞれです。
ここでは、弁護士が、どこでどんな仕事をしているかを見てみましょう。