憲法改正手続法における国民投票に関するインターネット広告の規制に関する意見書


icon_pdf.gif意見書全文 (PDFファイル;305KB)

2023年4月13日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

日弁連は、2023年4月13日付けで「憲法改正手続法における国民投票に関するインターネット広告の規制に関する意見書」を取りまとめ、同月17日付けで衆議院議長、参議院議長、衆議院憲法審査会会長、参議院憲法審査会会長及び各政党代表者に提出しました。

 

本意見書の趣旨

当連合会は、日本国憲法の改正手続に関する法律について、2019年1月18日付け「arrow_blue_1.gif憲法改正手続法における広告放送及び最低投票率に関する意見書」で、テレビ・ラジオの有料勧誘広告及び意見表明広告について2週間以上の相当期間はそれを禁止すべきこと等の検討を求める意見を表明しているが、いまだに検討されておらず、その実行を強く求める。


そして、日本国憲法の改正手続に関する法律の附則に規定する「インターネット等の適正な利用の確保を図るための方策」について、今回、当連合会において意見を取りまとめたので、本意見書で、改めて、国会に対し、国民投票に関するインターネット広告に関し、以下の内容の改正を行うこと、及びこれらの改正が行われるまで憲法改正の発議を行わないことを、上記テレビ・ラジオの広告規制に関する検討とともに、強く求める。


1 (1) 国民投票運動のために、有料で、インターネットを利用する方法により行う広告(以下「国民投票運動インターネット広告」という。)について、国民投票期日までの少なくとも1か月以上の相当期間はできないものとすること。

  (2) 国民投票についての意見表明のために、有料で、インターネットを利用する方法により行う広告(以下「意見表明インターネット広告」という。)についても国民投票運動インターネット広告と同様、(1)と同じ期間はできないものとすること(以下、国民投票運動インターネット広告と意見表明インターネット広告を合わせて「国民投票に関するインターネット広告」という。)。


2 国民投票に関するインターネット広告をする場合には、広告主及びその実質的支配者(発信の内容、発信方法、発信規模を決定する権限を有する者を「実質的支配者」という。以下同じ。)を表示するものとし、その広告主及びその実質的支配者が広告に支出できる上限額を定めるものとし、かつ、その上限額の規制についての履行確保方法を定めること。


3 国民投票広報協議会(以下、「協議会」という。)は、憲法改正案の賛否に関する公平・公正な判断材料を国民に提供するため、以下の点を行う旨の規定を置くこと。

  (1) 協議会は、憲法改正発議後、国民投票期日までの間について、協議会のホームページ等での広報・広告や協議会の費用による国民投票に関するインターネット広告を行う等、インターネットを利用して、賛成意見及び反対意見の公平性を確保した上で、国民に対して十分な情報提供をすること。

  (2) 協議会は、1(1)(2)記載の禁止期間以前に行われる各広告主の費用による国民投票に関するインターネット広告について、賛成意見及び反対意見の公平性を保つためのガイドライン等を定め、併せてこの中にインターネット広告に関与する事業者が公平性を保つ自主規制を実施できる根拠となる規定を用意し、かつ、事業者がガイドラインを尊重することを求める規定を置くこと。

  (3) 1(1)(2)記載の禁止期間においては、3(1)の協議会の広報・広告に加えて、協議会が広告主として費用負担することにより、政党等の賛成意見、反対意見について、公平性を確保した上で、十分な国民投票に関するインターネット広告を行うものとすること。



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