震災関連死の審査に関する意見書

   2013年9月18日
   日本弁護士連合会


 

本意見書について

当連合会は、この度、震災関連死の審査に関する意見書をとりまとめ、2013年9月18日に、復興大臣、内閣府特命担当大臣(防災)、厚生労働大臣宛てに提出しました。

 

本意見書の趣旨

1 災害弔慰金の支給に関する審査会においては、震災からの時間の経過により一律に判断するのではなく、災害により死亡した者の遺族に対する見舞い及び生活再建の支援という災害弔慰金の趣旨を十分に踏まえて、震災による避難等により体調を崩したり、病状が悪化したりしてから震災前と同程度まで体調を回復させることなく亡くなった場合などを含め、できる限り広く支給される方向で認定されるべきである。

 

2 被災地の市町村は、災害弔慰金の支給に関する審査会を自ら設置すべきであり、県への審査の委託はできる限り避けるべきである。

 

3 災害弔慰金の支給に関する審査会の構成員は、審査の対象が法律上の相当因果関係の有無であることから、医師の他、法律実務に精通した専門家を、少なくとも複数置くべきである。また、審査会の構成員の人数は、申請件数に応じて柔軟に増やすべきである。

 

4 審査の方法に関しては、必要な資料を収集した上で、十分に議論を尽くして行われるべきである。特に支給しない方向で決定する場合は、審査会の結論が遺族に与える影響の大きさを考慮し、慎重に、時間をかけて行われるべきである。

 

5 国は、今後災害が発生した場合、災害弔慰金の趣旨を踏まえできる限り広く支給されるために、審査基準につき、被災地の市町村に一任することなく、災害発生後速やかに一定の基準を示すべきである。その際、被災地により被災の状況が異なることから、一義的な基準の明示が困難な場合でも、少なくとも過去の判例を類型的に整理し、過去における支給例等の参考事例を具体的に示すべきである。

 

6 国は、今後災害が発生した場合、災害直後から、災害弔慰金の存在及び審査会への申立方法を含めて、広く周知すべきである。

(※本文はPDFファイルをご覧ください)


 

※災害弔慰金の審査状況に関するアンケート報告書は、こちら