公益通報者保護法の更なる改正と制度の充実を求める意見書


2024年8月22日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

日弁連は、2024年8月22日付けで公益通報者保護法の更なる改正と制度の充実を求める意見書を取りまとめ、同月23日付けで内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)、厚生労働大臣、消費者庁長官、内閣府消費者委員会委員長、衆議院議長及び参議院議長宛てに提出しました。


本意見書の趣旨

公益通報者保護法(以下「法」という。)について、以下のとおり更なる改正及び制度の充実を図ることを求める。


1 通報者に対する不利益取扱いをしたことに対する行政措置及び同行政措置に従わない場合の刑事罰を設けるべきであり、さらに、不利益取扱いをしたことに対する直接の刑事罰を設けることを検討すべきである。


2 公益通報をしたことを理由として行った解雇その他不利益な取扱いについて、因果関係の立証責任を事業者に転換する法律上の規定を設けるべきである。


3 保護される公益通報のための資料収集行為を理由とした損害賠償請求を一定の要件の下で制限する明文規定を設けるべきである。


4 通報者として保護される対象として「取引先事業者」を含めるべきである。


5 事業者の体制整備義務(法第11条第2項)違反に対する是正命令及び同命令違反に対する刑事罰を設けるべきである。


6 外部公益通報受付窓口の設置を推奨すべきである。


7 行政機関への通報(法第3条第2号。以下「2号通報」という。)について、以下のとおり政策面での対応及び改正をすべきである。

  (1)  労働者等にとって身近で有用な制度として事業者及びその従業員らに対して周知・啓発を図る政策をより一層充実させるべきである。

  (2)  法第3条第2号イが定める「公益通報者の氏名又は名称及び住所又は居所」の記載をしなければならないとの要件に代えて「継続的に連絡を取り合うことのできる連絡先」と規定し、匿名による通報も保護するよう改正すべきである。


8 報奨金制度等の公益通報にインセンティブを付与する制度を導入すべきである。


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