こども基本法を踏まえ、子どもの権利保障のために、子どもが国費・公費で弁護士による法的支援を受けられる制度構築を求める意見書


icon_pdf.gif意見書全文 (PDFファイル;245KB)

2024年1月18日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

日弁連は、2024年1月18日付けで「こども基本法を踏まえ、子どもの権利保障のために、子どもが国費・公費で弁護士による法的支援を受けられる制度構築を求める意見書」を取りまとめ、同月22日付けで、法務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、内閣府特命担当大臣(こども政策、少子化対策、若者活躍、男女共同参画)、こども家庭庁長官及び最高裁判所長官宛てに提出しました。


本意見書の趣旨

1 子どもが自分自身の権利を実現するために弁護士による法的支援を受けられるよう、国費・公費で代理人(法定代理人と任意代理人を含む。)や付添人を選任する総合的な制度を構築すべく、総合法律支援法の対象拡大その他必要な法律改正を行うべきである。

  (1) 児童福祉の分野において、虐待を受けている子ども等の代理人として児童相 談所等の福祉機関と交渉・協議する活動を総合法律支援法の法律援助の対象にするなど国費・公費で賄うべきである。

  (2) 少年矯正や更生保護の分野において、虐待等により家庭に帰ることができない子どもの代理人として、保護観察所や更生保護施設や福祉機関と交渉・協議する活動を総合法律支援法の法律援助の対象にするなど国費・公費で賄うべきである。

  (3) 教育の分野において、いじめや体罰を受けた子どもの代理人として、学校や教育委員会と交渉・協議する活動を総合法律支援法の法律援助の対象にするなど国費・公費で賄うべきである。

  (4) 民事法律扶助(代理援助)制度や上記(1)ないし(3)の法律援助制度は、未成年者が親権者の同意なくして単独で利用できるよう、償還を予定しない給付型の制度にすべきである。

  (5) 親権者のいない子どものための制度である未成年後見人、親権停止及び親権喪失事件の保全処分の親権の職務代行者及び未成年後見監督人に専門職後見人が就任する場合の報酬を国費・公費で賄うべきである。

  (6) 家事事件における子どもの手続代理人の報酬を国費で賄うべきである。


2 現行の国選付添人制度の対象事件を拡充し、①少年鑑別所送致の観護措置決定により身体拘束された全ての少年について、家庭裁判所が必要と認めた場合又は少年若しくは保護者の請求があった場合には、家庭裁判所が国選付添人を選任することができる制度を直ちに設けるよう求めるとともに、②少年鑑別所送致の観護措置決定により身体拘束された全ての少年に対して、家庭裁判所が必要的に国選付添人を選任する制度を設けるよう速やかに検討すべきである。


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