「金融審議会市場制度ワーキング・グループ顧客本位タスクフォース中間報告」に関する意見書


icon_pdf.gif意見書全文 (PDFファイル;212KB)

2023年3月16日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

日弁連は、2023年3月16日付けで「「金融審議会市場制度ワーキング・グループ顧客本位タスクフォース中間報告」に関する意見書」を取りまとめ、同月17日付けで金融庁長官宛てに提出しました。

 

本意見書の趣旨

1 顧客の最善の利益を図るべき義務について
金融事業者が顧客の最善の利益を図るべきことを法律上定めることに、賛成する。具体的な行為規制の解釈指針、具体的行為規制が捕捉しづらい行為の規制の指針として、適切かつ積極的な活用が図られるべきである。また、顧客の最善の利益を図るべき義務の更なる具体化を検討すべきである。


2 利益相反の可能性についての情報提供義務のルール化等について

  (1) 利益相反の可能性についての情報提供のルール化に賛成する。情報提供すべき利益相反の可能性に該当する事項は、適切に具体化されるべきである。また、その内容は顧客が容易に理解できるよう、明確に分かりやすく提供されるべきである。

  (2) 仕組債については、一般の顧客への販売を適切に制限することが必要であるが、販売が認められ得る顧客に販売する場合は、組成コストの開示を含む、より一層の情報提供を明確に義務付けるべきである。


3 実質的説明義務の法定化と情報提供のデジタル化について

  (1) 金融事業者の実質的説明義務を法律上規定することに賛成する。

  (2) 金融事業者に、デジタル手段による情報提供を認めるに当たって、顧客に追加的費用負担なく書面で情報提供を受ける選択肢を確保する義務及び顧客属性に応じた方法で書面交付が可能であることの告知義務を課すことに賛成する。


4 認定アドバイザー制度の整備に伴う投資助言業の登録要件の緩和について
認定アドバイザーに対する投資助言業の登録要件については、不適切な者が参入する事態が生じないよう適切な内容とするとともに、登録後も実効ある適切な監督を行うべきである。


5 金融商品のプロダクトガバナンス等について
金融商品のプロダクトガバナンスのための制度の具体化を含め、「顧客本位の業務運営に関する原則」の見直しや必要なルール化を更に進めるべきである。



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