産業構造審議会 知的財産分科会 不正競争防止小委員会「デジタル社会における不正競争防止法の将来課題に関する中間整理報告(案)」、「限定提供データに関する指針(改訂案)」及び「秘密情報の保護ハンドブック(改訂案)」に対する意見募集に対する意見書

2022年4月22日
日本弁護士連合会


本意見書について

2022年3月26日、経済産業省は、産業構造審議会 知的財産分科会 不正競争防止小委員会「デジタル社会における不正競争防止法の将来課題に関する中間整理報告(案)」、「限定提供データに関する指針(改訂案)」及び「秘密情報の保護ハンドブック(改訂案)」に対する意見募集(パブリックコメント)を行いました。


日弁連は、2022年4月22日付けで、産業構造審議会知的財産分科会不正競争防止小委員会「デジタル社会における不正競争防止法の将来課題に関する中間整理報告(案)」、「限定提供データに関する指針(改訂案)」及び「秘密情報の保護ハンドブック(改訂案)」に対する意見書を取りまとめ、経済産業省に提出しました。


本意見書の趣旨

1 (1) 中間整理報告(案)については、データ利活用促進に向けたルールの見直しを検討しようとするものであり、その基本的方向に賛成する。中間整理報告(案)の各論点については、以下のとおりである。

  (2) 不正競争防止法(以下「不競法」という。)第2条第7項の「限定提供データ」に「秘密として管理されているものを除く」という要件が設けられていることの当否については、営業秘密保護制度に加えて限定提供データ保護制度を設けた趣旨からすれば、両方の制度で情報の保護が図られるような管理が認められて然るべきであり、立法的解決を図るか、少なくとも2及び3で後述するように、「限定提供データに関する指針」や「秘密情報の保護ハンドブック」における説明を工夫することが望ましい。

  (3) 不競法第5条の2の使用等の推定規定の適用範囲を実態に即して見直しを検討することに基本的に賛成する。

  (4) 不競法にも、令和元年の特許法等改正によって追加されたような損害賠償額の推定規定を設けることは検討に値し、損害賠償額の推定規定の要件を緩和し、データの保有者の適切な救済が図られるようにすることは妥当であると考える。

  (5) 営業秘密や限定提供データを対象とするライセンス契約のライセンシーの保護制度について具体的な検討を進める方向を打ち出していることに賛成する。

  (6) 報告書案が、民事事件における国際裁判管轄・準拠法に関する制度整備の是非について継続検討していくとする方向に賛成する。


2 指針(改訂案)については、当連合会の従前からの指摘を踏まえた改訂を行っている点において、評価できる。


3 ハンドブック(改訂案)は、企業におけるテレワークの取組が急速に進む状況を踏まえた様々な秘密情報の漏えい対策例を追加しており、時宜にかなったアップデートがなされたものとして評価できる。


4 データの種類や性質に即して、データの利活用についての権限及び利益の配分並びにそれらの決定方法等を定める契約や契約締結に向けた戦略的な交渉をアドバイスできる法律専門家のニーズは増大している。弁護士が、個人、大学等研究機関、中小企業、スタートアップ企業等に対する、今回改訂される「限定提供データに関する指針」や「秘密情報の保護ハンドブック」も活用した専門的なアドバイスの提供や、一般市民に対する制度の普及啓発を続けていけるよう、当連合会としても取り組んでいく所存である。



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