技能実習制度の廃止と特定技能制度の改革に関する意見書

2022年4月15日
日本弁護士連合会


本意見書について

日弁連は、2022年4月15日付けで「技能実習制度の廃止と特定技能制度の改革に関する意見書」を取りまとめ、同月25日付けで、内閣総理大臣、法務大臣、出入国在留管理庁長官、厚生労働大臣、経済産業大臣、外務大臣、国土交通大臣、農林水産大臣、総務大臣、文部科学大臣及び衆参両院議長宛てに提出しました。


本意見書の趣旨

人権保障に適った外国人労働者受入れ制度を構築するため、国は、以下の施策を実施するべきである。


1 技能実習制度を直ちに廃止する。


2 特定技能制度を以下の条件を満たす制度に改革する。

  (1) 特定技能1号と2号を一本化して、特定技能制度により、現在は技能実習生として受け入れている技能レベルの非熟練分野の外国人労働者の受入れを開始し、在留期間更新を可能とする制度を導入して定住化を進める。

  (2) 特定技能で受け入れた当初から、家族帯同の可能性を認めた上で、永住審査の要件である就労資格をもった在留の期間に含める。

  (3) 転職の実効性を確保する。

  (4) ブローカーによる労働者からの中間搾取を禁止することを前提とする。


3 外国人労働者の権利保障のための施策と、外国人労働者及びその家族の定住化支援のために次のことを実施する。

  (1) 賃金等の労働条件における国籍や民族を理由とする差別の禁止を徹底する。

  (2)  労働者の権利の保障等のための相談、紛争解決の仕組みを充実させる。

  (3) 日本語教育を含む職業訓練や職業紹介制度を充実させる。

  (4) 医療、社会保障、妊娠、出産、育児、教育、生活習慣等に関する情報を外国人労働者及びその家族に提供する。


(※本文はPDFファイルをご覧ください)