今後のプラスチック資源循環政策についての意見書

2021年3月18日
日本弁護士連合会


本意見書について

日弁連は、2021年3月18日付けで「今後のプラスチック資源循環政策についての意見書」を取りまとめ、同日付けで環境大臣及び経済産業大臣宛てに提出しました。


本意見書の趣旨

本年3月9日、第204回通常国会にプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案が提出されたが、その内容はいまだ十分なものであるとは言い難いので、当連合会は、国に対し、今後のプラスチック資源循環に関する政策について、以下のとおり意見を述べる。


今後のプラスチック資源循環政策として、国は、以下の点を含む政策を実施すべきである。


1 リデュース(発生抑制)の徹底を図ること
循環型社会形成推進基本法の基本原則にのっとり、リデュース(発生抑制)の徹底を進めるため、代替品の利用促進以外の施策によるワンウェイのプラスチック(容器包装等)を含むプラスチック製品のリデュースの明確な数値目標を設定した上で、それを達成するための実効的な政策を実施すべきである。数値目標としては、少なくとも2030年までにはワンウェイのプラスチックの排出をゼロとする目標を設定すべきである。


2 熱回収の割合を限りなく低減させること
熱回収(燃やして熱を得ること)は、リデュース、リユース(再使用)及びリサイクル(再生利用)をすることが著しく困難な場合にのみ例外的に許容されることとし、熱回収の割合を限りなく低減させるべきである。また、プラスチックやその生成物を還元剤又は燃料として利用するケミカルリサイクルについても、熱回収と同様のものとして限定的に用いられるものとすべきである。


3 拡大生産者責任及び事業者責任を徹底した循環型社会にふさわしい統一的な法制度を整備すること
分別・回収コストを含めたプラスチック製容器包装及び製品廃棄物の回収・リサイクルの責任を生産者に課す拡大生産者責任ならびに事業活動による容器包装及び製品廃棄物以外のプラスチック廃棄物の排出の責任を事業者に課す事業者責任を徹底した法制度の整備を進めるとともに、循環型社会にふさわしい循環型社会形成推進基本法に沿った統一的な法制度の整備を改めて検討すべきである。


4 プラスチックに使用される有害化学物質を規制すること
プラスチックに使用される有害化学物質による環境汚染を回避するために、添加剤等のポジティブリスト制の導入などプラスチックの生産段階からの規制を実施すべきである。



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