特定商取引法及び特定商品預託法の書面交付義務の電子化に反対する意見書

2021年2月18日
日本弁護士連合会


本意見書について

当連合会は、2021年2月18日付けで「特定商取引法及び特定商品預託法の書面交付義務の電子化に反対する意見書」を取りまとめ、同日付けで内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)、経済産業大臣、消費者庁長官、内閣府規制改革推進会議議長、内閣府消費者委員会委員長、各政党に提出しました。


本意見書の趣旨

政府は、「デジタル社会の推進、オンライン取引の推進」の名の下に、特定商取引法及び特定商品預託法の書面交付義務の電子化を容認する改正法案を、今通常国会に提出しようとしている。この改正法案は、特定商取引法及び特定商品預託法において、書面が担っている告知・警告機能等を大きく損なうものであり、特定商取引法及び特定商品預託法がこれまで果たしてきた消費者保護機能を骨抜きにしてしまう危険性を有する。デジタル社会の進展を図るに当たっては、実効性ある消費者保護措置の確保が不可欠であることに鑑み、当連合会は、以下のとおり意見を述べる。


1 特定商取引に関する法律が定める訪問販売、電話勧誘販売、訪問購入、連鎖販売取引、特定継続的役務提供及び業務提供誘引販売取引の各取引形態の契約を締結する場合において、書面の交付義務の電子化を進めることに反対する。


2 特定商品の預託等取引契約に関する法律が定める預託等取引契約を締結する場合において、書面の交付義務の電子化を進めることに反対する。


3 連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引及び預託等取引契約の消費者被害が現に多数生じていることに鑑み、書面の電子化に先行してこれら消費者被害に対する実効性ある規制強化を検討すべきである。



(※本文はPDFファイルをご覧ください)