不当景品類及び不当表示防止法上の課徴金制度の強化を求める意見書

2020年12月17日
日本弁護士連合会


本意見書について

当連合会は、2020年12月17日付けで「不当景品類及び不当表示防止法上の課徴金制度の強化を求める意見書」を取りまとめ、同日付けで内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)及び消費者庁長官宛てに提出しました。


本意見書の趣旨

1 不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)8条1項に規定する課徴金算定率を現行の3パーセントから10パーセントに引き上げるべきである。


2 景表法8条1項ただし書後段に規定する課徴金納付命令の対象外となる売上額の基準を現行の5000万円未満から3000万円未満に引き下げるべきである。


3 景表法8条1項の売上額を認定するに際し、課徴金対象行為に係る商品又は役務を現行の取扱いのように名称、分量、回数、色、些細な形状やオプションの違い等による型番やコース等で細分化して認定するのではなく、本質的部分の内容が同一である場合には一括して一つの商品又は役務として認定できるよう、政令及びガイドラインを改正すべきである。


4 景表法9条の課徴金額の50パーセントを免除するという現行の自主報告制度に加え、消費者庁の調査開始前に、課徴金対象行為を行った事業者が自主的に一定の対応(例えば早期の違反行為の自認、違反事実の公表、返金措置、将来に向けた違反の疑いのある行為の取りやめ、再発防止策の策定等)をとった場合には、措置命令及び課徴金納付命令を行わないこととする制度を導入すべきである。


5 景表法10条及び11条に規定する自主返金制度において、①多額の費用や労力を要しないように手続要件・実施要件の緩和を検討するとともに、②返金対象となる消費者の特定が困難なために直接返金の実施が不可能な場合には、代わりに課徴金相当額に充つるまでの額を独立行政法人国民生活センターに寄附することにより、課徴金納付命令を免除する制度(代替寄附制度)を導入すべきである。


6 前項の代替寄附制度によって形成される財源については、適格消費者団体による差止請求訴訟及び特定適格消費者団体による集団的消費者救済制度の手続の実行のために利用できる制度とすべきである。




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