連鎖販売取引における若年者等の被害防止に関する規制強化を求める意見書

2020年10月21日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

当連合会は、2020年10月21日付けで「連鎖販売取引における若年者等の被害防止に関する規制強化を求める意見書」を取りまとめ、同日付けで内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)、経済産業大臣、消費者庁長官、内閣府消費者委員会委員長宛てに提出しました。



本意見書の趣旨

国は、連鎖販売取引における若年者等の被害を防止するため、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)について、以下のとおり改正を行うべきである。


1 22歳以下の者との間の連鎖販売取引の禁止と民事効


22歳以下の者との間で連鎖販売取引を行うことを禁止すべきである。 また、これに違反した場合、特定商取引法第3章における行政処分の対象とするとともに、連鎖販売加入者のうち、20歳(2022年4月1日に予定されている成年年齢引下げ後は18歳)から22歳までの若年者については、当該契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができるものとすべきである。


2 利益収受型物品・役務の取引等に関する連鎖販売取引の禁止と民事効


金融商品まがいの取引、商品預託取引、投資用DVD・ソフト、仮想通貨投資等の利益収受型物品又は役務の取引に関する連鎖販売取引を行うことを禁止すべきである。また、これに違反した場合、特定商取引法第3章における行政処分の対象とするとともに、連鎖販売加入者は当該契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができるものとすべきである。


3 借入金又はクレジット等による連鎖販売取引の勧誘の禁止と民事効


特定負担の支払方法につき借入金、クレジット等の与信(返済までの期間が2か月を超えない場合を含む。)を利用する連鎖販売取引の勧誘を行うことを禁止すべきである。また、これに違反した場合、特定商取引法第3章における行政処分の対象にするとともに、連鎖販売加入者は当該契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができるものとすべきである。


4 適格消費者団体の差止請求権の拡充


前記第1項から第3項までにおいて提案する取消権の対象となる各違反行為を、特定商取引法第58条の21に定める適格消費者団体の差止請求権の対象に追加すべきである。また、当該違反行為が一旦中止された場合であっても、再開されるおそれが認められるときは、差止請求が可能であることを明示すべきである。





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