刑事確定訴訟記録の保管、保存及び閲覧等に関する法改正及び運用改善に関する意見書

2020年9月10日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

日弁連は、2020年9月10日付けで「刑事確定訴訟記録の保管、保存及び閲覧等に関する法改正及び運用改善に関する意見書」を取りまとめ、9月11日付けで法務大臣及び検事総長に提出しました。


本意見書の趣旨

当連合会は、刑事確定訴訟記録の保管、保存及び閲覧等について、政府に対し、以下のような法改正及び法解釈運用がなされることを求める。


1 刑事確定訴訟記録法(以下「記録法」という。)について以下の法改正をすること。


(1) 「再審保存記録」「特別処分記録」「刑事参考記録」を記録法第4条の閲覧請求の対象にすること。


(2) 閲覧制限事由を規定した記録法第4条第2項第1号ないし同第3号の規定を削除すること。


(3) 閲覧が認められる刑事確定訴訟記録については、謄写請求権が認められることを規定すること。


(4) 刑事判決原本及び下記(5)で選別した刑事判決原本以外の刑事確定訴訟記録は、国立公文書館で永久保存すること。


(5) 刑事判決原本以外の刑事確定訴訟記録について永久保存すべきものの選別については、法務大臣が、日本近現代史や刑事政策・刑事法制、犯罪現象などに関する専門的知識を有する研究者、ジャーナリスト、弁護士などの有識者によって組織される諮問会議の意見を聴いた上で、「歴史公文書等」の該当性を判断する基準を設け、これに従って運用し、毎年、その運用状況を諮問会議に報告して意見を聴き、その意見を付して公表する規定を設けること。


2 閲覧制限事由を規定した刑事訴訟法第53条第1項ただし書き及び同条第2項の規定を削除すること。


3 閲覧制限事由を規定した記録法第4条第2項第4号及び同第5号について、閲覧請求者に同第6条の義務の履行を強く促すことにより、閲覧権の制限を限定する運用をすべきこと。


4 法務大臣は、全国の地方検察庁で保管・保存している全ての刑事確定訴訟記録について、保管・保存記録の保管・保存区分に従った各件数、特別処分の件数及び過去5年間の廃棄件数並びに閲覧制度の運用状況を確認し、公表すべきこと。


5 刑事確定訴訟記録の保管主体を裁判所とする法改正を検討すべきこと。




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