「独占禁止法審査手続に関する指針」(案)に対する意見書

2015年7月24日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

当連合会は、2015年7月24日付けで「独占禁止法審査手続に関する指針」(案)に対する意見書を取りまとめ、公正取引委員会に提出しました。

 

本意見書の趣旨

独占禁止法審査手続に関する指針(案)(以下「本指針(案)」という。)は、以下に述べるように重大な問題を含んでいる。


1 本指針(案)は、事件関係人が十分な防御を行うことを確保する観点から検討を行ったものはいえず、また代理人の立会いや供述調書の写しの交付等の実施について、我が国における刑事手続や他の行政手続との整合性を確保しつつ前向きに検討するという内容ともなっておらず、むしろその趣旨に反する内容となっている。


2 内閣府「独占禁止法審査手続についての懇談会」(以下「懇談会」という。)では、当連合会が2014年7月17日付け「独占禁止法審査手続に関する論点整理」に対する意見書で求めてきた弁護士の供述調書時の立会い、録音・録画などの可視化、調書の写しの交付、供述時のメモ取りの必要性は認め、しかしながら将来の検討課題とされたが、本指針(案)では全て明示的に否定した内容となっている。このように、本指針(案)は懇談会の意見にも反する内容が記載されている。


3 懇談会では、証券等監視委員会から「証券検査に関する基本指針」(証券取引等監視委員会 2015年4月)が紹介され、当該基本指針を参考に指針を作成することが討議された。しかし、本指針(案)は上記基本指針に比較し、内容の明確性・詳細性に欠けている点で問題が大きい。


4 欧州委員会及び米国司法省の海外の同種マニュアルと比較しても、本指針(案)は具体性に欠けており、適切な内容となっていない。

 

 

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