「防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」に対する意見書

 

2013年10月23日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

当連合会は、2013年10月23日に本件について意見を取りまとめ、10月29日に内閣総理大臣、国土交通大臣、内閣官房長官、国土強靱化担当大臣、内閣府特命担当大臣(防災)へ提出いたしました。

本意見書の趣旨

本年5月20日に国会に提出された「防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」(以下「国土強靭化法案」という。)が、10月15日に招集された臨時国会において審議されようとしている。


当連合会は、基本的人権擁護と社会正義の実現の立場から、公共事業に関し、その政策決定から実施に至る各段階の意思決定手続について情報公開と市民参加を保障し、必要性や環境保全優先性等の要件適合性を確保するための法制度の整備を図ることを一貫して提言してきた。2012年6月14日には「公共事業改革基本法(試案)」を公表した。

 

ところが、国土強靱化法案は、公共事業の適正確保のための上記のような法制度を欠くのみならず、むしろ現行より市民参加を後退させる内容となっているなど、多くの問題点がある。また、「国土強靱化」の概念が極めて不明確であるため、あらゆる公共事業がこれに含まれることになり、同法を根拠に、適正確保のための評価がなされないまま無制限に公共事業が実施されるおそれがある。


そこで、国土強靱化法案の国会審議に当たっては、「国土強靱化」の定義の不明確さ、手続の民主性と透明性の規定の欠如など、その問題点について徹底的に審議を尽くした上、抜本的に見直すことを求める。


 

(※本文はPDFファイルをご覧ください)