国税不服審判所及び租税訴訟の制度改革に関する提言

2012年12月21日
日本弁護士連合会







本意見書について

日弁連は、2012年12月21日付けで「国税不服審判所及び租税訴訟の制度改革に関する提言について」をとりまとめ、衆議院財務金融委員会理事・委員、参議院財政金融委員会理事・委員、各政党、財務大臣、最高裁判所民事局長に提出しました。

 

本意見書の趣旨

当連合会は、現行の租税に係る権利救済制度は、硬直的で透明性・公正性に欠け、納税者の権利利益の救済が十分でないことに鑑み、納税者の手続保障を図り、納税者の権利利益の救済制度を充実させるため、以下のことを提言する。


1 不服申立前置の強制を廃止し、納税者が、事案や争点の特質に応じて、異議申立て、審査請求、訴訟提起を自由に選択できるようにする。



2 独立性を担保するため、国税不服審判所を国税庁から内閣府へ移管する。



3 国税不服審判所の第三者性を確保し、納税者の信頼を確保するため、税務行政庁から国税不服審判所への出向を禁止する。



4 納税者に適正手続を保障するために、不服審査手続において、全件同席主張審理の導入、処分庁担当者の出頭義務・回答義務を明定するなどして、対審構造を確保する。



5 処分行政庁が提出した証拠や審判所が職権で収集した証拠を例外なく閲覧・謄写する権利等を確保するため、手続を整備する。



6 租税訴訟における裁判所の専門性の向上を図るべく、裁判所に租税専門部を設置する。



7 裁判所の公正性(中立性・公平性)について国民の信頼を確保するため、税務行政庁から裁判所調査官への出向を禁止する。



8 不意打ちを防止するため、処分理由の差替え・後出しを認めない争点主義を採用する。



9 柔軟かつ迅速な救済の一手段として、当事者の合意による解決制度を導入する。 


 

(※本文はPDFファイルをご覧ください)