新たな刑事司法制度の構築に関する意見書(その2)

2012年9月13日
日本弁護士連合会







 

本意見書について

当連合会は、2012年9月13日付けで別紙のとおり新たな刑事司法制度の構築に関する意見書(その2)を取りまとめ、法務大臣及び法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会長宛てに提出しました。

 

本意見書の趣旨

(証拠開示の拡充について)


1 被告人に有利な証拠が隠されることにより、事実を誤認して人を処罰することを防止するため、次のとおり、公判前整理手続等に付された事件に限定されず全ての事件(有罪判決確定後の再審請求事件も含む。)に適用される、証拠一覧表の交付を含む全面的証拠開示規定を創設すべきである。


(1) 検察官に対し、捜査機関が作成又は入手した証拠の一覧表を作成し、公訴提起後速やかに、被告人側に交付することを義務付ける。


(2) 検察官に対し、公訴提起後速やかに、原則として当該事件の捜査の過程で作成又は入手した全ての証拠について、被告人及び弁護人に閲覧及び謄写の機会を与えることを義務付ける。

 

(手続二分制度及び有罪答弁制度の導入について)


2 公訴事実について争いがある事件と争いがない事件を区別し、次のとおり、それぞれに適した公判手続を整備すべきである。


(1) 公訴事実について争いがある事件においては、公訴事実の存否を判断する手続と刑の量定の手続を二分し、まず公訴事実の存否と関連性のある証拠のみに基づいて有罪か無罪かを判断し、有罪の判断をした場合に限り量刑審理を行うものとする。


(2) 公訴事実について争いがない事件においては、弁護人が選任され、裁判所が公開の法廷で被告人の真意等を確認する手続を経ることを条件として、被告人が有罪の答弁をしたときは、速やかに量刑審理を開始することができるものとする。

 

(※本文はPDFファイルをご覧ください)