「再犯防止に向けた総合対策」(案)に対する意見

2012年6月22日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

政府は、犯罪対策閣僚会議の下に「再犯防止ワーキングチーム」を設置し、「再犯防止に向けた総合対策」の素案(以下「総合対策」といいます。)を取りまとめ、これについて意見の募集(パブリックコメント)を行いました。

 

当連合会では、これに対して意見書をとりまとめ、2012年6月26日に提出いたしました。

 

本意見書の趣旨

総合対策の現状認識及びこれに対する施策の基本方向には賛成であるが、主として、以下の事項について事項の補強を求めるとともに施策を提言する。


「第2 再犯防止対策の基本的考え方」について
○ 再犯を防止することが、社会全体にとって有意義であるということを明確にし、総合対策の前文に記載するのが適切である。
○ 再犯防止のために、人材、諸施設及び財源を投じることが必要であり、法務省については、矯正保護業務の新規採用者の大
 幅増員を目指さなければならない。


「第3 再犯防止のための重点施策」について
○ 仮釈放を原則化するとともに、出所者の過半数を占める満期釈放者に対する社会復帰支援を強化することを求める。
○ 出所者に対して、知識の提供ではなく具体的支援を行うべきである。
○ 効果の調査分析と対策改善へのサイクルを強化するため、すべての情報を公開し、当連合会を含む関係団体により検証する
 ことが必要である。
○ 犯罪を犯した人を排除するのではなく、社会の構成員として共生する社会を目指さなければならない。そのために、政府が率先
 して雇用に努め、マスコミへの正しい情報提供を行うなどの対策が必要である。
○ 現在多くの刑事裁判においては、総合対策のような視点が欠けているので、裁判所及び検察庁の参画を求め、これに沿った刑
 事司法の実現が必要である。
○ 当連合会及び弁護士の参画を求めることが有用と考える。
○ 捜査・公判段階においても、関係者を巻き込み社会復帰を目指した取組を行うことが重要である。


「第4 再犯防止策の数値目標」について
○ 再犯防止施策においても、列挙した事項について、具体的数値と達成年度を定めるべきである。


(※本文はPDFファイルをご覧ください)