「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」に対する意見書

2011年11月24日
日本弁護士連合会


意見書について

内閣官房内閣情報調査室は、2011年10月14日に「秘密保全に関する法制の整備に係る意見募集」を行いました。


日弁連は、「『秘密保全のための法制の在り方について(報告書)』に対する意見書」を同年11月24日付けで取りまとめ、同室に提出しました。

 

意見書の趣旨



秘密保全法制の検討に当たっては、日本国憲法及び我が国が置かれている国際的地位及び国内の実情を踏まえ、国における検討経過を公にし、問題状況が誰にでも分かるようにして、広く国民の意見を聴取し、慎重に検討すべきであり、拙速に制定に向けた動きを行うべきではない。


当連合会は、「秘密保全の法制のための在り方について(報告書)」が提言する秘密保全法制の制定には反対であり、その理由は以下のとおりである。

 

1 報告書が提言する秘密保全法制については、立法を必要とする理由を欠いており、必要性がない。



2 同法制は国民主権原理から要請される知る権利が侵害されるなど、憲法上の諸原理と正面から衝突するものである。



3 「特別秘密」の概念が曖昧かつ広範に失するため、本来国民が知るべき情報が国民の目から隠されてしまう懸念が極めて大き
 い。



4 人的管理については、人的管理の対象者及びその周辺の人々のプライバシーが空洞化するおそれがある。



5 罰則規定については、処罰範囲が不明確かつ広範であり、罪刑法定主義等刑事法上の基本原理と矛盾抵触するおそれがあ
 
る。



6 秘密保全法制に関わる裁判手続は、公開裁判を受ける権利や弁護を受ける権利を侵害するおそれがある。



(※本文はPDFファイルをご覧ください)