新たな集合訴訟制度の訴訟追行主体についての意見

2011年6月3日
日本弁護士連合会


本意見書について

日弁連は、2011年6月3日付けで、「新たな集合訴訟制度の訴訟追行主体についての意見」をとりまとめ、同年6月16日、内閣府の消費者委員会の下に設置されている集団的消費者被害救済制度専門調査会(第11回)に提出しました。

 

意見書の趣旨

当連合会は2011年(平成23年)5月13日付け「集団的消費者被害救済制度の検討にあたっての意見」を取りまとめ、同年5月27日の集団的消費者被害救済制度専門調査会に提出した。同意見2.において述べた「訴訟追行主体」の具体的要件について、下記のとおりとすることを提案する。

 

 

新たな集合訴訟の訴訟追行主体は、以下のとおりとする。
(1) 適格消費者団体。
(2) 相当数の対象消費者等(対象消費者の家族や支援者を含む。)によって構成される団体であって、複数の弁護士に訴訟行為を委任している等、以下の要件を満たすもの。
  ①人数:構成員の過半数が対象消費者であり、かつ対象消費者である構成員が50名以上であること。
  ②組織性:契約又は規約により被害の回復を目的として含むものとして結合する被害消費者の集団であって、法人格を有するか民事訴訟法上当事者能力を認められる法人格なき社団と認められる程度の組織性を有すること。但し、離脱の自由が確保されていることを要する。
  ③不適格な構成員がいないこと:構成員の中に、(イ)被告と利害関係のある者及び(ロ)反社会的勢力が含まれていないこと。
  ④訴訟代理人弁護士の人数:3名以上。
  ⑤訴訟代理人弁護士の適格要件:(イ)訴訟代理人弁護士全員が過去3年間において弁護士会の懲戒処分を受けていないこと、(ロ)訴訟代理人弁護士のうち3名以上が弁護士実務経験5年以上であること、(ハ)消費者被害救済集合訴訟について弁護士会が定める研修を受けていること。受訴裁判所は、(イ)(ロ)(ハ)について日本弁護士連合会の確認を求めることができる。
  ⑥訴訟代理人弁護士は、遅くとも訴え提起時までに受任の条件の要旨をインターネット上などで公表しなければならない。また、当該団体において構成員との間で会費もしくは清算金等の財産的利益の供与ないし提供がなされることとされている場合には、その条件の要旨についても同様の条件で公表しなければならない。
  ⑦訴訟代理人弁護士は、依頼者等関係者のプライバシーに最大限配慮しつつ、訴訟追行の内容を適切な方法で公表しなければならない。

(※本文はPDFファイルをご覧ください)