罹災都市借地借家臨時処理法の改正に関する意見書

2010年10月20日
日本弁護士連合会


本要望書について

本意見書は、2010年10月21日に内閣府、法務省、国土交通省に提出しました


本要望書の概要

当連合会は、罹災都市借地借家臨時処理法(以下「罹災法」という。)について、下記のとおり改正意見を述べる。



  1. 優先借地権(罹災法第2条)を廃止すべきである。
  2. 借地権優先譲受権(罹災法第3条)を廃止すべきである。
  3. 借地借家法第19条の特則として、災害による建物滅失時の借地権譲渡承諾許可請求制度を創設すべきである。
  4. 建物滅失後の借地権の対抗力存続(罹災法第10条)の要件として、借地借家法第10条第2項と同様の掲示を求めるべきである。
  5. 優先借家権(罹災法第14条)について、以下のとおり改正するとともに公的施策を講じるべきである。
    (1) 罹災借家人への家賃補助等の公的支援制度を設ける。
    (2) 優先借家権の申出につき権利行使申出催告制度を設ける。
    (3) 申出に対する拒絶通知の期間を3か月ないし6か月程度に延長する。
    (4) 優先借家権の実現を目的とする建物の再築について特定優良賃貸住宅等の制度が活用できるようにする。
    (5) 申出拒絶の正当事由として、借地借家法第28条と同様の「財産上の給付」に関する文言を明記する。
    (6) 同正当事由の例示として、「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法が適用される場合」と「都市計画等の有無及び内容」を加える。
  6. 罹災非訟手続の裁判の効力について定めた罹災法第25条を「裁判で給付を命ずるものは、強制執行に関しては、裁判上の和解と同一の効力を有する」と改正すべきである。
  7. 新たに、罹災借家人に対する、借地借家法第25条が適用される仮設建築物目的の罹災一時使用権を創設すべきである。
  8. 新たに、罹災借家人の承諾を条件に、自治体及びこれに準ずる公的団体に対し、仮設住宅の建築や仮設市街地の形成の目的で滅失建物の敷地の一時使用を認める公的制度を設けるべきである。

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