排出量取引制度の具体的制度設計に関する意見書
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2009年10月20日
日本弁護士連合会
本意見書について
2009年9月に政権交代があり、新政府は、温室効果ガスを2020年までに1990年比で25%削減するという目標を表明しました。
このような大幅な削減目標を達成するためには、国際標準にかなった排出量取引制度の早期導入が不可欠です。
そこで、日弁連は、2009年10月20日に「排出量取引制度の具体的制度設計に関する意見書」を取りまとめ、同年11月2日に環境大臣、経済産業大臣等に執行いたしました。
本意見書の趣旨
以下の内容から成る国内排出量取引に関する法律を、早急に成立させるべきである。
- 対象ガスは、当面、CO2のみとする。
- 2011年度内に本格実施を開始する。
- 対象主体は、一定規模(例えば、省エネ法第1種指定管理工場の排出レベルの事業所)以上のCO2を排出する発電所・その他エネルギー供給施設、工場・鉱山・業務事業所、運輸事業者とし、参加を義務付ける。
- 対象主体全体の排出上限枠を2020年において1990年比70%、2050年までに同20%とし、これを直線で結び、毎年の排出上限枠とする。
- 排出枠は、原則有償とするが、取引開始時には一部を無償とし、段階的に有償の割合を増加させ、2020年までに全量有償とする。対象主体に対する排出枠の割当てについての詳細なルールを速やかに策定する。
- 排出枠のバンキングやボローイング等、一定範囲内で制度対象者が柔軟な対応を行うことを可能とするための措置を検討する。
- 遵守期間は、1年ごととする。
- 排出枠の有償割当によって生じる収益は、低炭素経済の移行期における措置として、温室効果ガスの排出削減及び温暖化被害の軽減策(適応)に用いる。とりわけ、低所得者層への支援、産業構造の変化に伴う労働者の教育・訓練への支援及び低炭素技術の開発・普及への支援などに重点的に配分する。
- 排出枠登録簿を作成・管理し、報告・モニタリング・第三者による検証の手続を確保する。
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