凶悪・重大犯罪の公訴時効の在り方に関する意見書

2009年6月11日
日本弁護士連合会


本意見書について

法務省は、2009年4月10日、「凶悪・重大犯罪の公訴時効の在り方について~当面の検討結果の取りまとめ~」を公表し、2009年5月12日、「凶悪・重大犯罪の公訴時効の在り方」について(意見募集)を実施しました。


これに対し、当連合会は意見書をとりまとめ、2009年6月11日に法務大臣へ提出しました。


意見書では、凶悪・重大犯罪の公訴時効の在り方に関して、法務省がその可否を含めて検討中の下記いずれの「考えられる方策」による改正についても反対すること、また、いずれによる改正であっても、現に時効が進行中の事件についての遡及適用にも反対することを表明しました。



  1. 公訴時効を廃止すること
  2. 公訴時効の期間を再度延長すること
  3. DNA型情報等により被告人を特定して起訴する制度を実施すること
  4. 検察官の裁判所に対する請求により公訴時効を停止(延長)させる制度を導入すること

なお、意見の理由中において、近時、犯罪被害者のその遺族を中心に、公訴時効について見直しを求める声が高まっているが、突然、身内の者が命を奪われたことに対する遺族の心情は察するにあまりあるものである。そのような遺族を出さないような社会を作ることが大切であり、社会全体が温かく支援していくことが必要であること、殺人事件の犯罪被害者の遺族らが犯人の検挙を望んだものの公訴時効が完成してしまったことでその道を断たれた場合には、捜査権や公訴権を持つ国が犯人を検挙できなかったのであるから、その犯罪被害者らに対しては、現行の犯罪被害者等給付金とは別に、特別の補償制度を設けることも考えられてよいことを付言しています。


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