知的財産戦略本部 知的財産による競争力強化専門調査会先端医療特許検討委員会 「先端医療分野における特許保護の在り方について(案)」に関する意見書
- 意見書全文(PDF形式・23KB)
2009年5月15日
日本弁護士連合会
本意見書について
2009年(平成21年)4月28日、内閣官房知的財産戦略推進事務局から知的財産戦略本部知的財産による競争力強化専門調査会先端医療特許検討委員会で取りまとめられた「先端医療分野における特許保護の在り方について(案)」(以下、報告書案という)が公表され、意見募集がなされました。
この報告書案では、特許庁の審査基準による先端医療分野における特許対象の明確化、医薬の用法・用量の刷新により専門家の予測を超えるような効果を示す医薬の発明、及び、医師の最終的な診断を補助するための人体のデータの収集方法にかかる発明を、新たに特許対象とするための審査基準の改訂、先端医療分野の研究成果を適切に知的財産に結び付けるための支援体制及び人材育成、という三つの取り組みが必要であるとされています。
当連合会はこれらの点について、次に掲げることを検討すべきであるとのパブリックコメント意見を2009年5月15日に取りまとめました。
- 医師免責規定の整備について
医療関連の発明を新たに特許対象とする場合はもちろん、従前の特許付与の範囲に留まる場合であっても、明文をもって医師免責の要件・範囲を法定すること。 - 特許対象を審査基準のみに規定することについて
医療関連の発明の特許保護の基本的な視座について、立法により規定すること。 - 専門家の予測を超える効果を示す新用法・用量の医薬にかかる発明を特許対象とする場合、「物」の発明として保護することについて
専門家の予測を超える効果を示す新用法・用量の医薬にかかる発明を特許対象とする場合、医師の免責規定を置くなど必要な手当てをした上で、発明の本質に照らした保護、すなわち、物の発明のカテゴリーのみならず、方法の発明のカテゴリーによる保護を与えていくこと。
本意見書は、2009年5月15日付けで、知的財産戦略本部知的財産による競争力強化専門調査会先端医療特許検討委員会の金澤一郎委員長あてに提出しました。
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