日本弁護士連合会による国際司法支援活動の基本方針

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2009年3月18日
日本弁護士連合会


本指針について

日弁連は、2009年3月18日理事会にて、標記国際司法支援活動の基本方針及び同基本方針の解釈指針をとりまとめました。本方針は関係各機関に提出しております。


本指針の趣旨

日弁連の国際司法支援活動は、以下に述べるような基本理念に基づいて実施されるものである。


  1. 基本的人権の保障と恒久平和主義


    日弁連は、現憲法を擁護することを活動の基本としてきた。憲法前文では、恒久平和主義・平和のうちに生存する権利を謳い、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う。」という国際的な協力の責務を規定している。


    さらに、弁護士法1条1項は、「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」と規定され、これを受けて日弁連会則2条は「本会は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現する源泉である。」と明記している。日弁連は、この使命を遂行するために会員とともに協働しているのである(同会則3条)。


    また、日弁連では、世界人権宣言をはじめとする国際的人権基準の普遍的遵守と保障の促進とが、全ての国の厳粛な責務であることを謳ったウィーン宣言およびその行動計画(世界人権会議1993年採択)の実施に積極的に関与・協力していくことを決意し、宣言しているが、日弁連の国際司法支援活動もこの責務の実行の一環として考えるべきである。

    日弁連が国際司法支援活動を実施する際にも、憲法に謳われた恒久平和主義・基本的人権の尊重、弁護士法1条の基本理念および国際人権基準の遵守と保障への決意に従い、国際協力を実施する責務を自覚し、我が国最大の人権NGOとしてその国際司法支援活動を行わなければならない。

  2. 法の支配


    日弁連では、憲法の底流に流れる「法の支配(rule of law)」の実現のために日々努力しているところであるが、その国際司法支援活動においても同様である。


    そこで、日弁連では、その司法改革実行宣言において「法の支配」が社会のすみずみにまで及ぼされ、市民の期待にこたえる司法を実現することが、弁護士・弁護士会の市民に対する責務であると述べているが、その責務は国内にとどまらず、国際的にも遂行されるべきものである。日弁連が、国際司法支援活動を実施するに当たっても「法の支配」の実現に、向けた活動であることを基本理念の一つとすべきである。


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