全面的国選付添人制度実現本部発足にあたっての理事会決議

2009年1月15日
日本弁護士連合会


当連合会は、2007年11月に静岡県浜松市で開催した第50回人権擁護大会において、「全面的な国選付添人制度の実現を求める決議」を採択し、観護措置決定により身体拘束された全ての事件を対象とした「全面的国選付添人制度」の実現に向けて、国選付添人制度拡充への取り組みを強化することを表明した。


その後、昨年12月5日の臨時総会決議においては、少年・刑事財政基金を創設し、少年保護事件付添援助制度の拡充に向けた財政的基盤の確立をはかったところであるが、今般、「全面的国選付添人制度」実現に向けての運動を担うことを目的として、全面的国選付添人制度実現本部を発足させるものである。


「全面的国選付添人制度」の実現に向けては、以下のような活動が緊急に求められる。


  1. 本年5月には、被疑者国選弁護制度の対象事件が、いわゆる必要的弁護事件にまで拡大されるが、被疑者段階の少年に国選弁護人が選任されても、その大半が、家裁送致後には国選付添人が選任されない。国選付添人の対象事件を、まず必要的弁護事件にまで拡大することが喫緊の課題であり、その立法化に向けての運動を速やかに開始する。

  2. 上記拡大が実現するまでの間、被疑者段階と同様に、家裁送致後にも、少年が弁護士の援助を受けられるよう、弁護士の対応態勢および少年保護事件付添援助事業を強化する。

  3. 全国の弁護士会に対し、当番付添人制度の確立・拡充の努力とともに、弁護士の対応能力を充実させるため、多様な研修を実施する等の取り組みを求め、これに必要な支援を行っていく。

  4. これらの取り組みと併行して、身体拘束事件全件を対象とする「全面的国選付添人制度」を、そう遠くない将来において実現するための各種取り組みについてもあわせて強化する。

当連合会は、新たに発足した全面的国選付添人制度実現本部を中心として、「全面的国選付添人制度」の実現に向け、これら課題に全力をあげて取り組むことを決意する。


以上のとおり、決議する。