「社会保障カード(仮称)」に関する意見書

2007年12月13日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

政府は、社会保障分野の個人情報を名寄せし、一元的に管理する目的で、「社会保障番号」制度を創設するため、厚生労働省に「社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会」(以下「検討会」という。)を設け、2011年度(平成23年度)の導入を目指して、具体的な検討を開始しました。


日本弁護士連合会は、2007年(平成19年)10月23日付け「「社会保障番号制度」に関する意見書」で、政府が創設しようとする「社会保障番号」制度について反対を表明したところです。


その後、検討会は、「社会保障番号」制度を前提とせずに、ICカードである「社会保障カード(仮称)」のみを導入する方向で検討を進め、意見のとりまとめを行おうとする状況にあります。


しかしながら、「社会保障カード(仮称)」についても、国民のプライバシー保護の観点から極めて重大な問題があります。


1 所持の強制に伴う問題点


2 カードのセキュリティについて


  • (1)本人以外の者が所持することによる危険性
  • (2)カードの表面から本人の個人情報が読み取られる危険性
  • (3)カードのICチップの中から個人情報が引き出される危険性
  • (4)カード所有者自身が識別情報を知ることによる弊害
  • (5)識別情報を単純な番号とすることによる危険性
  • (6)住基ネットとの断絶の必要性
  • (7)個人情報を検索して名寄せされるおそれ
  • (8)被害を最小限度に食い止められる制度の欠如
  • (9)カードに記録されている個人情報をバックアップする必要性

以上の危険性がすべて除去され、安全確保のために必要な対策が講じられない限り、安易な「社会保障カード(仮称)」の導入は行うべきではない。

(※本文はPDFファイルをご覧下さい)