水俣病問題について抜本的な救済策を求める意見書

2007年9月14日
日本弁護士連合会


本意見書について

「与党水俣病問題に関するプロジェクトチーム」は、2007年7月、「水俣病に係る新たな救済策について(中間取りまとめ)」を公表しました。中間取りまとめでは、いわゆる公健法に基づく認定基準は堅持しつつも、認定基準を満たさないものの救済を求める人たちへの救済策を示しています。


しかし、公健法における現行の認定基準はすべての水俣病患者の症状を網羅しておりません。2004年の関西水俣病訴訟最高裁判決においても現行の認定基準は誤りであると確認されておりますので、早急に改定されるべきです。


また、中間とりまとめによれば、1995年の政治解決の救済策を基準として、救済策対象者や給付する一時金の額を定めようとしております。しかし、2004年の関西水俣病訴訟最高裁判決では、政治解決の一時金の水準を上回る損害賠償が認められておりますので、これを下回る制度設計をすることは許されません。


そこで、本意見書では、公健法に基づく救済策を抜本的に改め、新たに総合的な救済施策を講じるべきであることを提案するとともに、新たな救済施策の具体的内容として、水俣病認定基準の抜本的改定、水俣病患者に対する十分な補償、水俣病患者に対する医療面、福祉面に対する恒久対策、国及び熊本県による経済的負担等の事項を提示しています。また、水俣病患者の実効的な救済を図るために、不知火海岸沿岸の健康調査を早急かつ網羅的に行うべきことを提案しています。


この意見書は、2007年9月20日に内閣総理大臣、環境大臣、厚生労働大臣等に提出いたしました。


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