「医療事故無過失補償制度」の創設と基本的な枠組みに関する意見書

2007年3月16日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

日弁連は、従前より患者の人権と医療事故における被害者救済制度に関する調査・研究を行い、2001年3月には、日弁連内の人権擁護委員会が「医療事故被害者の人権救済」を公表して、医療事故における無過失補償制度の創設を提言しました。


一方、産科医、小児科医の不足が社会問題化するなか、2005年6月、厚生労働科学研究費補助金小児科産科若手医師の確保・育成に関する研究班が、産科医療における無過失補償制度の検討の必要性に関する提言を行い、2006年8月には、日本医師会が分娩に関連する脳性麻痺に対する補償制度原案を作成して、国に対し、公的な障害補償制度の整備を要請しました。そして、2006年11月、自由民主党の政務調査会社会保障制度調査会医療紛争処理のあり方検討会が「産科医療における無過失補償制度の枠組みについて」と題するレポートを公表したのをうけ、2007年2月には、厚生労働省が、財団法人日本医療機能評価機構内に産科医療補償制度運営組織準備委員会を設置して、産科医療における無過失補償制度創設への取り組みを始めました。


以上のような情勢を踏まえて、日弁連では、この度、これまでの調査・研究の成果に基づき、一部の診療領域に留まらず広く医療事故全般を対象として、医療事故を減少させて医療の安全と質の向上に貢献する無過失補償制度を創設する必要性とその制度に必要とされる基本的枠組みに関する意見書を策定し、公表することとしました。

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